移動ド・実音・度数
聞こえた音、いま弾いている音を認識する必要がある場合、主に3つのアプローチがあると思います。 その3つのアプローチとは、移動ド、実音、度数のことです(共感覚が発達している人は、12の音を異なる色彩で認識できたりするのかもしれません)。 移動ド(Movable do)は音を絶対的な「音名」ではなく相対的な「階名」として扱う考え方で、例えばC Majorにおける実音Cは「ド」。Eb...
View Article細部まで完璧に、圧倒的な臨場感で思い出す練習
楽器を持たずにできる練習方法は様々あると思うのですが、「聴くこと」に関してこういう練習をよくやります。非常に良い効果があると思うので紹介します。 この練習の目的は、耳を良くすることです。具体的には、他人の演奏をより精密に聴くことができるようになることです。また、頭の中で鳴ったフレーズ・鳴らしたフレーズを正確にプレイバックする能力を高めることです。...
View Article単色で弾き切ったある若者の思い出
むかし、ジャム・セッションであることに気付きました。当たり前の内容なのかもしれませんが、結構印象に残っているエピソードなので思い出しながら書いてみたいと思います。 そのジャム・セッションで、まだギターをはじめたばかりでセッション初参加という若者(見た感じまだ10代)が、「枯葉」をコールしました。彼はブルーノート・ペンタトニック・スケールだけで最初のコーラスを終えました。...
View Articleアマチュアのジャム・セッションは満員御礼、プロのライブはガラガラという話
最近友達とよく話題になるのですが、ここ数年でジャム・セッション人口がかなり増えてきている印象があります。 ロック・ブルースセッションは勿論、ジャズ・セッションも大入りということが多いらしい。それは私も参加していて感じます。反面、プロのライブを観に来るお客さんの数はそれに反比例するかのように減ってきているらしい。...
View Articleリックとスタイルを巡る雑感
「リック」とはそもそも何でしょうか。良いものでしょうか。悪いものでしょうか。使っていいのでしょうか。使わないほうがいいのでしょうか。 言葉の定義を見ると、英語版Wikipediaでは、リックは「短い音の連続から成る『ストックされたパターンまたはフレーズ』であり、ソロやメロディーライン、伴奏において使用される」と説明されています。...
View Articleコンテンポラリー・ジャズギターの構成要素
「コンテンポラリー・ジャズ(・ギター)」とは一体どのような要素で構成されているのでしょうか。 「あの人のプレイはコンテンポラリーだ」とか、「コンテンポラリー系のジャズギターが好きです」といった風に、普段何気なく「コンテンポラリー」という言葉が使われていると思うのですが、果たしてその正体は? 実像に迫るべく、少し考えてみたいと思います。 ハーモニー...
View Article「エンクロージャー」より「ネイバートーン」のほうがフレンドリーな表現だね! – John Abercrombie
ジョン・アバークロンビーがMy Music Masteclassの教則動画で面白いことを言っていたので紹介します。 ターゲット音を主に半音下や半音上から「囲い込む」(encloseする) バップの特徴的な表現に「エンクロージャー」(enclosure)と呼ばれるものがあります。囲い込むために使用される音は「アプローチ・ノート」と呼ばれます。...
View ArticleDrop 3 voicingの魅力
参考資料的な記事として、Drop 3と呼ばれるボイシング(音の積み方)について解説しておきたいと思います。 まず以下のコードを御覧下さい(画像は全てクリックで拡大します)。 このコードに見覚えのない方はまずいないはず。主にCm7として知られている有名なフォームですね。それでは以下のコードたちはどうでしょうか。...
View Articleギターはプレイヤーに対してニュートラルなものでなくてはならない – The Ibanez Pat Metheny Interview
YouTubeに “The Ibanez Pat Metheny Interview” という動画が掲載されていました。現在のシグネチャーモデルのPM200とPM2のプロモーションのために製作されたようです。メセニーがこの手の動画に出演するのはなかなか珍しいような気がします。 7分弱もあって少し長いのですが、やはり興味深いことが語られているので主要な部分を抜粋しつつ意訳してみます。...
View Article自分が良い演奏をしているかどうかが判る(多分)唯一の指標
いま自分は良い演奏をしているだろうか? 「良い」の定義は様々でしょうし、本番中には(セッション、ライブ、録音等)誰もあれこれ反省はしないものだと思いますが、その時その時で、「うまく行っているような感じ」を持つことは誰にもあると思います。 この記事で紹介した教則動画で、John Abercrombieは、あ、そうだ、という感じで唐突にこういう言葉を口にしていました。...
View Articleバックグラウンド・ミュージックについての雑感
ここ数年、バックグラウンド・ミュージック(BGM)としてジャズを聴くということが本当に少なくなってきました。ジャズに限らず、BGM自体が苦痛に感じることが多いです。 音源を聴く時は、誰かのソロを採譜する時だったり、集中してリズムを聴きとる時だったりと、とにかく「練習」と関係のある聴き方が多くなりました。...
View Article名著「ギター無窮動トレーニング」に待望の続編が出た!
道下和彦先生の名著「ギター無窮動トレーニング 効果絶大のノンストップ練習」に待望の続編が出ました。私も発売当日に入手して楽しんでいます。いやー、もう今度も最高です。 そもそも「ギター無窮動トレーニング...
View ArticleGibson ES-175・ES-335愛用者はやはり多かった
先日、ジャズ・ギターのアイコンとしてのGibson ES-175とES-335という記事を書きました。 何故175と335はこれほどまでにジャズ・ギタリストの支持を集めているのだろう、という内容の記事でした。このブログのアンケート機能を使い、記事を読んで下さった皆様に投票をお願いしたところ、なんと65%もの方々が「ES-175またはES-335を持っている・持っていたことがある」と回答されました。...
View Article… Where Would I be? – Jim Hall:あるモダニストによる等身大の肖像
James Stanley Hall、通称Jim Hall。1930年12月4日生まれ、2013年12月10日没。日本の現代音楽作曲家・武満徹と同年生まれ。 詩を愛し、自身のプレイを常に革新することを忘れず、手癖のリックに溺れることなく常にモチーフを展開させつつ、弾くもの全てがメロディとなり、余分な音を何一つ残さなかったギタリスト、インプロヴァイザー。...
View ArticleJIM DUNLOP JAZZ IIIとその仲間たち:速弾きと音色の悩ましい関係
ジャズ系ギタリストの定番ピック・JIM DUNLOP JAZZ IIIとその仲間たち。音色的な問題から私自身は現在別のピックをメインで使っているのですが、過去にはだいぶお世話になりました。現在でも必要に応じて使うことがあります。 JAZZ...
View Article物語と小説、スタンダードと即興
「物語」と「小説」と呼ばれるものの関係。ジャズ・スタンダードとそれを即興で演奏することの関係。ここには見過ごせないものがあるとよく思います。...
View ArticleJIM DUNLOP 477R305
最近新しいピックを試してみました。 JIM DUNLOP JAZZ IIIとその仲間たち:速弾きと音色の悩ましい関係という記事でJazz III系のピックを色々試した後、その時気に入ったものと、ついでに目に止まったこの「477R305」というタイプを試しに注文してみました。下の写真の左側2枚です。右側は昔この記事で紹介した477R JAZZTONE 208。...
View Article練習 (practice) と演奏 (playing) を明確に区別する
よく言われることだと思うのですが、練習 (practice) と演奏 (playing) は明確に区別しておく必要があると思います。 最近、First, Learn to Practice (Tom Heany) (まず練習することを学ぼう)という本を読んだのですが、私がこれまで先生達に教わった練習態度、練習という行為について自分で気付いてきたことがコンパクトにまとまっている良書でした。...
View Articleフレーズの考古学・第1回 哀愁のパラレルマイナー
これから時々、温故知新的な気持ちを込めて歴史的なフレーズを紹介して行きたいと思います。今回はその第1回です。 まず以下の音源をお聴き下さい。ジム・ホールによる「ステラ・バイ・スターライト」の演奏です(1957年発表のデビュー・アルバム”Jazz Guitar”収録)。今回紹介するフレーズの開始位置(0:51〜)から再生します。...
View Articleギター試奏あるある
楽器屋さんでギターを試奏した際、こういうことを経験された方は少なくないのではないでしょうか。 店員さんがかなり適当にチューニングしたギターを渡してきて萎える ギターの弦に茶色い錆が発生していて音がよくわからない フロントピックアップの音を試そうとしたところ「あー、それ今、リアしか出ないんで」と言われる(※フルアコです)...
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