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名著「ギター無窮動トレーニング」に待望の続編が出た!

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道下和彦先生の名著「ギター無窮動トレーニング 効果絶大のノンストップ練習」に待望の続編が出ました。私も発売当日に入手して楽しんでいます。いやー、もう今度も最高です。

そもそも「ギター無窮動トレーニング 効果絶大のノンストップ練習」という本ですが、1年前の出版当時、私は感激のあまり興奮して記事を書いたのでした。20年前にこの本が出ていたらどんなに良かっただろう、と。とにかく止まらずに1曲を8分音符で弾く、というありそうでなかったテーマの教則本だったのです。

第1巻について興味がある方はこちらこちらを読んでいただくとして、この続編。大きいテーマとして「一発モノ」と「モード」が入っているのが素晴らしいです。循環もTwo Fiveも確かに大事ですが、そもそもスタティックなコード上でいろいろ弾けないといけない。そこはかなり多くの人の弱点だと思うのです。

ギター無窮動(むきゅうどう)トレーニング2 効果絶大のノンストップ練習 (総音符数23,000以上におよぶ模範演奏CD付) (Guitar Magazine)

メジャーコード一発で何か弾いてみろ、”Impression”で何コーラスもソロを取ってみろ、と言われてはじめて、自分の実力の程度を認識し、(多分)絶望した、という人は少なくないのではないでしょうか。モチーフを自在に展開できる人は困らないかもしれませんが、そのレベルに至るまでには必要な練習があります。

リッチなコード進行を備えたスタンダード曲であれば、極端なことを言えばコード・トーンを弾いているだけでサマになることもあります。しかし「一発モノ」や「モード」ではそうはいきません。経験と想像力が試されます。そして、自分にはどんな「引き出し」があるのか。

パット・メセニーによると、ジャズが本当に面白くなるのは何もかももう全て出し尽くしてしまって、ネタ切れになってかららしいのですが、そうは言っても3コーラスや4コーラスはいつでもバッチリ弾きまくれるくらいの余裕がなければはじまりません。そういう基礎体力の養成に「無窮動」はとても良いと思います。

この続編、他にもマイナー・コンバージョンやアッパー・ストラクチャー、コルトレーン・チェンジ等が扱われています。多様な視点を持って、ボキャブラリーとテクニックを充実させ、最終的にはあなたの創造力を爆発させて下さい、という内容だと思います。色々な発想に触れることができます。

「はじめに」で道下先生が書かれているように、本当はタブ譜なしが良いのかもしれませんが、個人的には「おおっ、あっちじゃなくてこっちに行くのかー!!」とか「このフレーズはここで弾けば上に駆け上がれるのか!!」といった、「超一流ギタリストの頭の中を覗ける」という愉しみや発見があると思っています。

初心者には勿論、中級者・上級者にも発見が多い教則本ではないでしょうか。ジャズギターはじめて1年目です、という方がこの本から勉強したりすると、相当早く上手くなるんだろうなぁ、と思います。

私は「無窮動トレーニング」の第1巻を楽しみながら学習したあと、自分用の無窮動譜面をたくさん作りました。今でも時々やっています。

この本は、リズムについてあまり学べないという点で興味を持てなかったという意見を耳にすることもあるのですが、逆に言うと、「自分は例えばどんなリズムでこの音列を弾きたいのか? どんなリズミック・ボキャブラリーを自分は持っているのか?」という問いが発生する本でもあります。

秋の夜長に最高の伴侶となってくれる本ではないでしょうか。オススメです。

ギター無窮動(むきゅうどう)トレーニング2 効果絶大のノンストップ練習 (総音符数23,000以上におよぶ模範演奏CD付) (Guitar Magazine) ギター無窮動(むきゅうどう)トレーニング2 効果絶大のノンストップ練習 (総音符数23,000以上におよぶ模範演奏CD付) (Guitar Magazine)

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