同主調 (parallel key) と平行調 (relative key)、及びモーダル・インターチェンジについて
先日この記事で「パラレルマイナー」という言葉をうっかり気軽に使ってしまったのですが、一般に「パラレルマイナー」と言えば「パラレル・マイナー・キー」のことを指すと思います。 ところで「パラレル・キー (parallel key)」は日本語では「同主調」と訳されます。「主音を同じくする調」という意味に取って良いでしょう。つまりC Major(ハ長調)の同主調は、C minor(ハ短調)です。...
View Article例えば1曲全部をメロディック・マイナーで弾く練習
それは他人に聞かせる音楽としてどうなのか、という問題はひとまず置いておくとして、ある一つのアプローチで何かをやり切ってみる、という練習は実り多い結果をもたらしてくれると感じます。 例えば、知っているスタンダード曲を最初から最後までメロディック・マイナー・スケールで弾く練習、というのも面白いと思います。メロディック・マイナーとその7つのモードについてはこのページで詳しく解説してあります。...
View Article能う限りの完璧さを求めて
最近読んだ First, Learn to Practice (Tom Heany) (まず練習することを学ぼう)という本に、完璧な演奏を心掛けなければいけない、ということが書かれていました。...
View Article「つらい練習」は「楽しい練習」に変換しなければならない
「つらい練習」は続くわけはなく、そのまま続けるのは間違ったことだと思います。そのままつらさに耐え、盲目的に続けても、多分楽器や音楽をやめてしまうことになる。私の真面目な友達の何人かは、そうやって音楽をやめてしまいました。真面目な人ほどそういう傾向があると思います。...
View ArticleV7 altに適用可能なメロディック・マイナー・スケール5種
先日、例えば1曲全部をメロディック・マイナーで弾く練習 という記事を書いたのですが、ちょうど良い機会なので一歩進んだメロディック・マイナーの適用方法について書いてみます。 V7 alt(=オルタード・ドミナント、4度上行して解決するドミナントコード)上では大体以下の5種類のメロディック・マイナーを適用できます。 半音上のメロディック・マイナー(結果はVのオルタード)...
View Article手元に明確に存在するものを行う – Bruce Lee
その言葉はもしや即興演奏家のために(も)向けられているのではないかと思えてくる不思議な格闘家、ブルース・リー。彼の著書にこんな言葉が記されています。 Not to think, but to do. – Our grand business is not to see what lies dimly at a distance, but to do what lies clearly at...
View Articleコピーする人・しない人
良いプレイヤーになるためには、ある人はコピーが必要だと言い、ある人はコピーなどしなくても良いと言います。 これはどちらが正しいのでしょうか。多分どちらも正しいのかもしれません。ただ、コピーなどしなくても良い、と言う人でも、トランスクライブ(採譜)してフレーズを練習したことがなくても、聴いたものを弾く、ということは(少なくとも無意識のレベルでは)やっているはず。...
View Article演奏がうまく行っている時の気持ち
格闘家ブルース・リーの主著「截拳道の道」に次のような一節があります(このブログでは何度かブルース・リーを取り上げていますが、それは武術に関する彼の思想がほとんどそのまま即興演奏に通じるもののように思えるからです)。 I’m moving and not moving at all. I’m like the moon underneath the waves that ever go on...
View Articleお酒を飲んでしまったらその日はもう練習ができないのか
例えば「今日は8時間練習した」と言っても、その8時間をブレイクダウンすると様々な行為が含まれていることに気付かされます。 「練習」の構成要素 最近このブログでよく言及している First, Learn to Practice (Tom Heany) (まず練習することを学ぼう)という面白い本にも似たようなことが書かれていたのですが、私達は「練習」中に様々なことをしています。例えば:...
View Articleマイナー・コンバージョン、あるいは陰陽への道
マイナー・コンバージョン (Minor Conversion) と呼ばれる有名なコンセプトがあります。 パット・マルティーノが、そういうアプローチ(方法論)で弾いている、と説明したことで一躍有名になった概念です。この概念の目的は、「全てをシンプルにする」こと。その具体的な方法は、「全てをマイナー系スケールに置換すること」。...
View ArticleBose QuietComfort 20 Acoustic Noise Cancelling headphones
ここ数年間に購入したもので本当に買って良かった、と思うものは2つか3つくらいしかないのですが、うち1つは間違いなくこの「Bose QuietComfort 20 Acoustic Noise Cancelling headphones」になると思います。...
View Articleジャズギター診療所にて vol.1
ぼくはとても調子が悪い。どんなに頑張っても、アドリブがジャズっぽくならないのだ。 このままでは死んでしまうので、ぼくは「ジャズギター診療所」に行った。亜波黒先生という、立派なカイゼル髭を生やしたおじいさんが一人でやっている、町に一軒だけの小さな診療所だ。 「ふむ。アドリブがジャズっぽくならない、というのだね?」 「そうなんです」...
View Articleジャム・セッションに参加するために必要な唯一の資格
ジャム・セッションに参加するために何か必要な資格があるとしたら、それは一体何だろうか、と考えてみました。 初対面の、あるいはほとんど知らない人々と、有名なスタンダード曲を一緒に演奏する。大きいフレームワークを共有して、その上で何が起こるか皆で試してみる。楽しんでみる。ジャム・セッションがそういうものだとして、それに参加していいのはどんな人でしょうか。初心者は参加してはいけないのでしょうか。...
View Articleメロディが即興の骨組みを与えてくれるんだよ – Bill Frisell
むかしリットー・ミュージックからビル・フリゼールの教則ビデオが出ていたと思います。ベースはカーミット・ドリスコル、ドラムがジョーイ・バロン。持っていました。若かった私には猫に小判だったと思います。 現在は Guitar Artistry of Bill Frisell として米国版DVDになっているようです。YouTubeを見ていたらその懐かしい映像を発見しました。...
View Articleいつでもうまく行く単一のアプローチというものはないらしい – Mick Goodrick
ミック・グッドリックの言葉はいつも示唆に富んでいるのですが、彼は著書にこういう意味深な言葉を書いています。 No single approach seems to work all the time. いつでもうまく行く単一のアプローチというものは存在しないようだ。 Advancing Guitarist: Applying Guitar Concepts and Techniques...
View Article良い練習を続けていると、良い人間になる
良い練習を続けていると、良い人間になる。そう私は思います。 だいぶ前から、楽器の習得、音楽の訓練に取り組むことは、同時に人生そのものを良くしていくことなんだ、と考えるようになりました。良い練習を続けることで、自分の人生も、仕事も、対人関係も改善していくことが出来る。...
View Articleこの話には続きがあるんだよ、という感じのソロを目指して
先日ギター仲間と居酒屋で飲んでいる時、衝撃的な話を聞かされました。 その彼、普段ジャズという音楽をほとんど聴かない知人女性をライブに誘ったのだそうです。そのライブは勿論プロのジャズミュージシャン達によるものだったのですが、残念ながらその女性はあまり感銘を受けなかったそうです。 今日の演奏はどうでした? と友人が聞いたところ、その女性は「うーん、とてもきれいな曲、カッコ良い曲が多かったです。でも…...
View Article弦交換時の4種の神器
ギターの弦交換はあまり好きではありません(好きな人っているんだろうか)。 エリクサーのようなコーティング弦を張っている時などは余裕で2ヶ月も弦交換しなかったりするのですが、フラット弦は1日数時間弾いていると2週間くらいで弦が変形するのかチューニングが狂ってくることがあり、そういう時に交換しています。面倒ですが気持ちの切り替えにはなりますね。...
View ArticleGibson ES-275
Gibsonがジャズ・ギタリスト向けに新しいフルアコを開発したそうです。 下のデジマートの動画で紹介されているのですが、ES-275というモデルだそうです。この記事で詳細にレポートされています。デモ演奏は小沼ようすけさんとkubotaさん。素晴らしいブルース・トークですね。 Gibson MemphisのMike...
View ArticleEl Hombre – Pat Martino : 最初から完成していた人
久しぶりにPat MartinoのEl Hombreを通して聴いてみました。 1967年リリースのパット・マルティーノのデビューアルバムです。何故久々にこれを聴きたくなったかというと先日、成城石井というスーパーの店内でこのアルバム収録の”One for Rose”が流れていたからです。 このフルート、このオルガン、そしてこのギターフレーズ… これはEl Hombreだ!! –...
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