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ギターはプレイヤーに対してニュートラルなものでなくてはならない – The Ibanez Pat Metheny Interview

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YouTubeに “The Ibanez Pat Metheny Interview” という動画が掲載されていました。現在のシグネチャーモデルのPM200とPM2のプロモーションのために製作されたようです。メセニーがこの手の動画に出演するのはなかなか珍しいような気がします。

7分弱もあって少し長いのですが、やはり興味深いことが語られているので主要な部分を抜粋しつつ意訳してみます。

  • ギターは僕にとってスクリュードライバーのようなもの。アイデアに命を吹き込み、音を通じて表す道具。アイデアがあり、そのアイデアをリスナーが受け取れるようにする。そういうシンプルな行為のために、僕の場合はギターを使うことになった
  • 長兄がマイルス・デイヴィスのレコードを家に持ち込んだこと、即興演奏が盛んだったミズーリ州カンザスシティ付近で生まれ育ったことが僕をジャズに向かわせる大きい理由になったと思う
  • 最初にアイバニーズのギターを見たのは同社が初期の頃。アメリカ製のギターを主に使っていたため、「ワオ、このギターはちょっと変わってるね、これは何!? 」って思った
  • 初来日は1978年。2回目の訪日時にアイバニーズ社員がやってきて、僕の音楽に感動したので僕のためにギターを作りたいという。素晴らしいと思った。翌年行くとプロトタイプを持ってきてくれた。こいつはすごい! と思った。それが(いま手に持っている)このギターなんだ

ここでパットはアルバム “Unity Band” 収録の “This Belongs to You”(「これは君のもの」)を披露。状況にふわさしい意味深な選曲です(笑)

  • このギターは最初に手にした瞬間から素晴らしく、すぐに自分にフィットした。その後は習慣的な意味もあって慣れ親しんだギターを長く使い続けていたが、それらをレコーディングに持っていけない状況に直面した。その時ニューヨークで録音したのが “Question and Answer” (1989)。このアルバムではじめて全曲このギターを使用した。それ以来このギターは僕のメインギターとなり、あらゆる仕事で使うようになった
  • ギターというのは、プレイヤーに対してニュートラルな感じのものでなくてはならないと感じている。アイバニーズギターについて僕が気に入っているのは、僕が何を弾いても、入力するものに対してとてもオープンだということ。ここにあるどのギターをギグに持って行ってもすぐに使えるし、良い音でフィーリングも良いのを知っている。これは僕のようなツアー主体のミュージシャンにとってはとても重要
  • アイバニーズのギターは本当に頑強。ノルウェーでも問題なく、その2〜3日後にモロッコで使っても問題ない。極端な気候下でも使えるため、もうお古の楽器を運んでおくといったことを考える必要さえない
  • これらのギターは信じられないほど強く、自分が入力したものをいつも返してきてくれる。1989年からこのギターはずっとそうだったし、今でも立派に現役さ

ギターはプレイヤーに対してニュートラルなものでなくてはならない、入力した内容をそのまま返してくれる強さが必要だ、というところが面白かったです。アイバニーズのギターは物理的に屈強・頑丈(robust)らしいですが、それは「打てば響く」ような強い(strong)ギターでもある、ということのようです。

ギター自体が極端にそれ自身の特性を主張しすぎることなく、プレイヤーの入力に素直に、そしてダイレクトに反応してくれる「道具」。パット・メセニーがギターに求めているものがよくわかるインタビュー内容でした。


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