「この音楽って、ジャンルで言うと何?」と彼女は言った
昨年、この話には続きがあるんだよ、という感じのソロを目指してという記事を書きました。 ギタリストの友人が普段あまりジャズを聴かないという女性に「ジャズのアドリブって何のためにあるの?」と真顔で問われ言葉を失ったという耳の痛い話なのですが、この話には後日談があります。...
View Article音楽家とサービス業
人前で音楽を演奏するという行為は、サービスなのでしょうか。 もしその対価としてお金をいただくのなら、産業区分的にはサービス業になるのでしょう(Wikipediaにおけるサービスの定義)。しかし私は、音楽は「お客様に奉仕する」ことを至上の目的とした行為ではないように感じています。...
View Article音楽は最終的には自然なものでなくてはならないんだ – John Scofield
ジョン・スコフィールドの興味深い洞察を紹介します。DVDのLive in Montreal (1992・海外版) にボーナス収録されている1999年のインタビューからの言葉です。YouTubeに動画があったので貼ってみます。 以下に1:33からの内容(お題は「ジャズの進化について」)をおおまかに訳してみます。 それはビッグな質問だね。ジャズは将来、何処に向って行くのか。知ってたら良かったのにね!...
View Articleきょうの料理・最終回(放送事故)
「土井先生、今日はよろしくお願いします」 「はい、よろしくお願いしますね。では早速下準備、しましょか」 「今日はどんな料理を作られるんですか」 「僕ね、最近楽器にハマってるんです。ギターをやっているんです。ギターでジャズを弾いているんです」 「……はあ」 「まずはこの九条ネギ。リズム良く刻みましょう。トントントントンリズム良く。一定のリズムで刻んでください。フレディ・グリーン聴きましょう」...
View Articleジャズ・ジャイアンツ養成ギター
その日、飛雄馬は父・一徹に1本のギターを与えられた。パット・メセニーが使うシンセギターのようなSGタイプのソリッド・ボディーで、ボディ下側に小さいスイッチがいくつも並んでいる。 「飛雄馬よ、お前は今日からこのギターで練習するのだ。お前はジャイアンツを……ジャズ・ジャイアンツを目指すのじゃ!」 「と、父ちゃん……!!」...
View Article上手くなるのは他人と一緒に演奏する人達だ – Vic Juris
私の大好きなギタリスト・Vic Jurisがとても良いことを言っています。 Those who get better or advaced at an accelerated rate, are those that play with others. The key to really getting better is practice and application. Always apply...
View Article名前で損をしているけれど本当はすごく良い本
普段は絶対に手に取らない感じの教則本があります。 例えば「誰でも1週間でピーター・バーンスタイン!」とか「寝ながら聴くだけでジェシ・ヴァン・ルーラー」みたいなタイトルの本は、私は買わないと思います。というのも大昔、「ジャズギターは簡単だ!」みたいな本がたくさん出ていて、買ってみたけれど内容にひどく失望したことが多かったからです。...
View Article理論はともだち
理論というものに対して時に異様なほどの嫌悪や敵対心を見せる人がいます。 理論は音楽の敵だ、理論を勉強するとロクなことがない、後付けの説明で何がわかる、という風に、もう親の仇のように理論を敵視する人に(特にネット上で)出会すことがあります。...
View Article腱鞘炎にならないために
腱鞘炎にならないために注意したほうが良いことがあります。 腱鞘炎経験者にとっては「何を今更」という感じかもしれませんが、幸いまだ経験したことがない方は練習時、次の点に気を付けたほうが良いと思います。 良い姿勢で練習すること 本気で弾く前にウォームアップすること フィンガー・ストレッチが発生するフレーズやコードには特に注意すること...
View Articleインターバリック・ストラクチャーの世界
インターバリック・ストラクチャー、またはインターバリック・アプローチと呼ばれるものがあります。方法論の一種です。 一言で言うと「任意のスケール上で、特定のインターバルを繰り返して音を積み上げる」ことです。言葉で説明すると抽象的でわかりにくいので具体例を挙げると、例えばトップノートをD Dorianとし、その下に4度間隔で音を3つ下方向に積んでみます。すると下のようになります。...
View ArticleYamaha SLG200Nの使用感 (2)
ヤマハのサイレントギター・Yamaha SLG200Nについて追加の記事を書いてみます。 先日この記事で印象を書いたばかりですが、このギターやはり便利です。出張などでも充実した練習をすることができます。ただ注意したいのがストラップロック。フレームを固定するネジが緩みやすく、ラバーで押さえつけたストラップと共回りします。フレームが外れてギターを落としそうになることがあります。...
View Article漫画界のカリスマにジャズを学ぶ
最近一冊の驚くべき本を読みました。それは「漫画の描き方」について書かれた本であるにも関わらず、過去に読んだどんな教則本よりも私に「ジャズのこと」を考えさせてくれました。 それはこういう本です。 荒木飛呂彦の漫画術 (集英社新書)...
View Article上手な人たちの共通点
ギターに限らず、ジャズの即興演奏が上手な人たちにはいくつかの共通点があるような気がしています。 これまで私が接してきた「上手な人たち」(プロ、ギタリスト以外を含む)のことをぼんやりと想像すると、何か共通点があるような気がしてきたので列挙してみます。 頻繁にジャム・セッションに顔を出す 過去にジャム・セッションでつらい体験をしたことがある...
View Article1拍目の頭以外からフレーズを開始する練習
1拍目の頭、ダウンビートから開始するフレーズがたくさんあります。 何処にたくさんあるかというと、教則本の中にたくさんあります。拍頭から、休符なしで開始する4分音符や8分音符のフレーズ。こういう教則本的なフレーズ(これはこれで大切なのは言うまでもないですが)をそのまま練習していると、実戦で困ることがあります。...
View Article即興は人を裸にする。しかし裸は元来、恥ずかしいものではなかったはずだ
即興演奏は演奏者を裸にします。 他人と一緒に演奏したことのある方、人前で演奏したことのある方なら多分わかってくれると思うのですが、どんなレベルであれアドリブ・ソロを取ることで自分の裸が出てきます。 少ない要素から出発するのは勿論、ある程度サイズの大きいフレーズの組み合わせから出発する場合であっても、演奏者の習熟度を問わず、自分が裸になる、裸にされるような感覚がある。...
View Article日清どん兵衛とパット・マルティーノの宇宙
「日清どん兵衛」の公式サイトに何かちょっとヤバい感じの画像があると聞いたので見てみました。 「どんばれンタイン」という、「どん兵衛」と「バレンタイン」を無理矢理結合させた感じのページなのですが、下のような画像が掲載されています(画像はリンク先から引用しました)。見れば見るほどヤバい感じなのですが、これを作成した人は相当な音楽好き・文学好きであると思われます。...
View Article従う・対峙する・突き進む
あるコード進行との関係で、フレーズはどのように弾かれてきたのか。フレーズをどのように弾くことができるのか。 どんなふうにも弾けるだろ! と言われると話が終わってしまうのですが、私にとって「考える」ことは「練習」の一環なのであらためて真面目に考えてみると、大きく分けて3種類の発想、またはアプローチが存在するのではないかと思います。少なくとも。...
View Articleスタンダード分析・第1回:枯葉 (Autumn Leaves)
このブログで定期的に楽曲分析(アナリーゼ)をしてみたいと思います。今後色々な曲を「スタンダード分析」というカテゴリーに入れていく予定です。 第1回はジャズ初心者の課題曲として取り上げられることが多い「枯葉」(Autumn Leaves)を観察・分析してみます。セッションでも定番曲の一つです。...
View Article本当に初心者の人はどのように学習するのがベストなのか
このブログを読んでいただいた方から、時々「ジャズに興味があるけれど、何から勉強したら良いかわからないので良い教則本を教えてください」という質問をいただくことがあります。 それらのご質問にお答えしようと思い、自分は本当の初心者の頃、どんな本を参考にしてきたんだっけ、と考えてはみるのですが、「これと、これと、これを読めばいいよ!」という簡単な答えがなかなか出てこないので悩んでいました。...
View Articleインターバリック・ストラクチャーとその転回形
この記事はインターバリック・ストラクチャーの世界の続きです。ご興味のある方は最初にそちらを読んでいただいたほうがわかりやすいと思います。 例えば「Fのメジャースケール」(=F...
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