普段は絶対に手に取らない感じの教則本があります。
例えば「誰でも1週間でピーター・バーンスタイン!」とか「寝ながら聴くだけでジェシ・ヴァン・ルーラー」みたいなタイトルの本は、私は買わないと思います。というのも大昔、「ジャズギターは簡単だ!」みたいな本がたくさん出ていて、買ってみたけれど内容にひどく失望したことが多かったからです。
しかし実際はすごくいい内容なのにタイトルで損をしている教則本があります。例えばこの2冊。
いずれも2001年の昔から Jazz Guitar Style Master という有名なサイトを運営されているギタリスト・名取穣一郎さんの著書です。 どちらも「そのまま使えるわけないだろ!」とか「聴くだけでマスターできるわけないだろ!」と背表紙だけでぷんぷん丸になりそうなタイトルですが、中身はとても良い本なのです。
「そのまま使える〜」はTwo-Fiveフレーズの百科事典のような感じで、チャーリー・クリスチャンからカート・ローゼンウィンケルまで古今の有名ギタリストの特徴的なフレーズ的なものが掲載されていて勉強になります。
「聴くだけマスター〜」は特に初心者に有益で、様々なスケールの雰囲気を耳で聴いて理解できるという内容。聴くだけでマスターできるわけはないですが、少なくとも耳で理解できるようにはなると思います。
最近書店で手に取った Charlie Parker Collection for JAZZ GUITAR という本も名取穣一郎さんの著書でした。どれもヤマハ・ミュージック・メディアから出ている本ですが、買って損のないとても良い本だと思います。
出版社は本が売れるようキャッチーなタイトルを付けるのでしょう。勿論「全部マスターするためには3回生まれ変わる必要あり!ジャズ修行僧のあなたのための最終奥義」みたいなタイトルだと1冊も売れないでしょうから仕方ないのでしょう。いずれにしても名取穣一郎さんの著書はとてもおすすめです。