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インターバリック・ストラクチャーの世界

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インターバリック・ストラクチャー、またはインターバリック・アプローチと呼ばれるものがあります。方法論の一種です。

一言で言うと「任意のスケール上で、特定のインターバルを繰り返して音を積み上げる」ことです。言葉で説明すると抽象的でわかりにくいので具体例を挙げると、例えばトップノートをD Dorianとし、その下に4度間隔で音を3つ下方向に積んでみます。すると下のようになります。

4th build using D Dorian as top notes

完全4度で積んでいくのではなく、そのスケール内のダイアトニックな4度で積んでいます。そのため増4度も登場します。平行移動が得意なギターでは完全4度の部分だけ抜き出してモード等で使うととりあえず手っ取り早くこの「4度積みの世界」を楽しめます。モードの曲では必須のアプローチの一つですね。

インターバリック・ストラクチャーは勿論4度だけでなく、何度でも使えます。スケールもIonianでも良いし、Melodic MinorでもHarmonic Minorでも良い。そのスケールのダイアトニック音で積んでいきます。音数は3つでも4つでも5つでも可。コンボ演奏で便利なのは3声でしょうか。

上の例は4度だけを使った「よくある」積み方ですが、他にも4度と6度、3度と4度等々、「複数のインターバル」で積むこともできます。これでぐっと可能性が広がります。自分でインターバルのルールを決めて、ダイアトニック・ノートで音を積みコードを作ります。クラスター・ボイシングのヒントにもなります。

ある意味モーダルな考え方なので、例えばスタンダード曲のコード一つ一つに対して何が使える…という考え方ではなく、大きいトーナリティとそれに対して自分が設定するスケールの中で、一定区間自由にやるということです。「ドミナントではオルタード!」的な普通の機能和声の考え方とは少し異なります。

このアプローチで3声・4声の様々な独自コードを使えるようになるとより多彩なコンピングができる……のは間違いないので私もだいぶ前からこれに取り組んでいるのですが、とにかく時間が必要。自分の気に入ったパターンを、特定のスケールで、特定の曲に応用してちょっとづつ自分のものにするのが良さそうです。

ここまではコードの話。例えばベン・モンダーのようなギタリストは、インターバリック・ストラクチャーでアルペジオを構成して、それを基にフレージングしています(この方面ではJoe Diorioの教則本も有名だと思います)。

下の楽譜は Ben Monder 3 (Linear Guitar) での演奏例を採譜したものですが、「Cメジャースケールで2度と4度を交互に繰り返す」ことでアルペジオを生成し、しかも各音をモードの基点のように扱って弾いています。Cからはじまり、メジャースケールを下って行きます。

Intervallic Arpeggio by Ben Monder

実際の音はこんな感じです(Guitar Proのmidi音源です)。アルペジオでもスケールでもないような、大変美しいサウンドです。そして弾くのは大変です。


 
インターバリック・ストラクチャーをこのレベルでリニアなフレージングに応用するのは並大抵のことではないと思います。しかも「2度と4度」だったらそれをIonian, Dorian, Melodic Minor, Harmonic Minor等々、様々なスケールで練習するわけです。

何処まで追求するかは各人の自由で、本気で追求するには人の一生は全く足りないと思いますが、インターバリック・ストラクチャーは本当に美しい世界だと思います。コードでの使用は勿論、シングルラインでも使えるように少しづつでも取り入れていきたいですね。


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