ミック・グッドリックの言葉はいつも示唆に富んでいるのですが、彼は著書にこういう意味深な言葉を書いています。
No single approach seems to work all the time.
いつでもうまく行く単一のアプローチというものは存在しないようだ。
Advancing Guitarist: Applying Guitar Concepts and Techniques
例えばシングルラインのソロにしても、コンピングにしても、フィンガリングにしても、ただ一つのアプローチやコンセプトで十分ということはないと思います。「これだ!」と思うものがあっても、まずそれだけでは通用しないことがほとんど。
やっぱり色々なものをシンプルにしたいと考えると、「これで全部OK」という方法論、コンセプトを夢見てしまいがちなのですが、そういうものはない。
マイナー・コンバージョンだけで全てが弾けるわけではない。ヴァーティカル・フィンガリングで全てが弾けるわけではない。Drop 2と3と2&4を覚えればカッコいいコンピングが出来るというわけでもない。
でも、それでいいのだと思います。というのも、ある一つのアプローチでソロを取っていたとする。もしその時、そのアプローチでうまく行かなかった場合はどうするのか。
演奏をやめるわけにはいきません。だから常に複数のアプローチを持っていること、それを使えるようにしておくことが大事なのだと思います。いつでも使える、単一の万能なアプローチを持とうするのではなく、色々なアプローチを使えるようにしておくこと。それが大事なのではないかと思います。