その言葉はもしや即興演奏家のために(も)向けられているのではないかと思えてくる不思議な格闘家、ブルース・リー。彼の著書にこんな言葉が記されています。
Not to think, but to do. – Our grand business is not to see what lies dimly at a distance, but to do what lies clearly at hand.
考えるのではなく、行うこと。ー 我々に課せられた壮大な営為は、遠くにぼんやりと横たわるものを見ることではなく、手元に明確に存在するものを行うことである。
Striking Thoughts – Bruce Lee’s Wisdom for Daily Living
但しこの言葉はスコットランドの随筆家、トマス・カーライル (Thomas Carlyle) が残したもののようです。恐らくブルース・リーはこの言葉を気に入って手帳に書き込み、やがてそれが彼自身の言葉として伝えられるに至ったのでしょうか。
音楽と演奏における「遠くにぼんやり横たわるもの」とは何か。「手元に明確に存在するもの」とは何か。これらの疑問は練習における指針になってくれるように感じます。