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メロディが即興の骨組みを与えてくれるんだよ – Bill Frisell

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むかしリットー・ミュージックからビル・フリゼールの教則ビデオが出ていたと思います。ベースはカーミット・ドリスコル、ドラムがジョーイ・バロン。持っていました。若かった私には猫に小判だったと思います。

現在は Guitar Artistry of Bill Frisell として米国版DVDになっているようです。YouTubeを見ていたらその懐かしい映像を発見しました。

上の動画は2:38で再生するようにセットしてあります。そこでフリゼルは次のようなことを言っています。彼らしく、言葉を選びながら、考えながら、何度も言い直しをしながら語っています(そのため翻訳は意訳しています)。

… with a starndard song, it’s really, any song that I play, the melody, I always say that it’s just so important, I mean that’s what makes… it gives like an architecture to what you improvise… that… I think if you combine all the theoretical knowledge you learn, with chords and scales, and patterns… but keep that melody going, that’s what can give you your own individual sound, really… (plays “The Days of Wine and Roses”) So that was the melody with nothing with… alone, for me that’s beautiful thing it’s a complete…you don’t need to play big fat chords or reharmonize… if you add the base notes… melody and base notes… (plays the melody again with bass notes) that’s getting pretty full there…it also gives some odd fingerings, because you have to find the ways of….

スタンダード曲では、僕はいつも言うんだけど、どんな曲でもメロディが大事なんだ。即興に骨組みを与えてくれるんだ。コードやスケールに関する様々な理論的知識、そしてパターンを束ねれば… でもね、メロディを前に進めるんだ、その結果自分自身のサウンドが出るようになるんだよ、本当に… (ここで “The Days of Wine and Roses” を弾く)これはメロディだけ、何もないものだろう、僕にとってこれだけで美しいんだ、これは完全な… すごいコードとか凝ったリハモとかする必要はなくて… これにベース音を加えれば… (ここでベースノートを押さえる)こうなるとかなり完全な感じだよね… するとフィンガリングがちょっと奇妙になるから、なんとかしてそれを…

私はビル・フリゼルの大ファンなのですが、彼の演奏が好きであると同時に、どうやったらこんなふうに弾けるのだろうといつも悩みます。何かシンプルにやろうとしてそうなっているのはわかっても、どうにも真似できない。

この動画での演奏も、メロディを大事に弾けばいいんだよ、ということですが、なかなかこういう感じにはなりません。一人コール・アンド・レスポンス的ですね。本当に素晴らしいです。最高の音楽になっていますよね。

ジム・ホールは次のように語っています。

ビル・フリゼールを聴くことは、驚きの連続である。全く予測ができない。セロニアス・モンクのことを思い出させる。

確かにモンクを想起させます。誰もが知っているメロディを大事に大事に弾いているのに、誰もが予想しえないような驚きの即興が出てくるのが本当に不思議です。やっぱり弾き方・考え方が普通ではないんだと思います(それでいて彼等は何か特殊なことをやっているという意識がない)。

普通のギタリストは理想的かつ合理的なフィンガリングとか考えるわけです。この人は違うのかもしれません。本当はこの方向性が正しいのだと思います(でも相当難しいと思う)。

ジョン・スコフィールドもこれに近い演奏をすることがよくあると思います。2人ともすごいと思うのはテンポ・ルバートの感覚。ジャズのテンポ・ルバートは適当にやればいいものでは勿論なくて、相当センスが試されると思います。

なかなか一筋縄には行きませんが、とにかくメロディを、メロディを、メロディを… 自分のエゴではなく、メロディを、音楽を。そういう気持ちで取り組んでいけば、自分もいつかこんな素敵な演奏に近づけるかもしれない。そう信じて練習したいと思います。


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