音楽はもともと競争原理からは縁遠いものだと思いますが、実際には様々な競争に溢れていたりします。
演奏や作曲能力を競う様々なコンクール、コンペティションが存在しますが、「競争すること」についてミック・グッドリックは”Advancing Guitarist”(日本語版)の中で次のように語っています。
競争すること:もし競わなければならないのなら、自分の中だけにしておきなさい。
Competition: if compete you must, try to keep it to yourself.
何かのイベントだったり、成し遂げる目標があると練習にも身が入るので良いことですよね。
同時に、他人よりも上手にギターを弾けるようになること ー 他人よりも豊かな表現、他人よりも豊かな発想力、他人よりも流麗なメロディ、他人よりも動く指、他人よりも巧みな楽器の扱い、等々 ー には全く意味がないことを忘れないようにしたいと思っています。
多分、誰もが求めているのは自分自身がやりたい音楽、自分自身がやろうとしている音楽に向かって前進し続けることであって、自分の音楽が評価されるとしたら、それは他人との比較においてではないはずです。当たり前のことだと思うのですが、このことは案外見失うことも多いと思います。