Quantcast
Channel: Jazz Guitar Blog
Viewing all articles
Browse latest Browse all 927

本気で何かをプレイしたいと思ったら、ブルースは必ず身に付けなければいけない – Oz Noy

$
0
0

だいぶ前のJazz Life誌(2014年7月号・取材は工藤由美氏)にオズ・ノイのインタビューが掲載されていました。

Oz Noy

その中で彼は次のように語っています。

僕に言わせれば、現代のポピュラー・ミュージックの根底には、多かれ少なかれ、ブルースが流れている。だから本気で何かをプレイしたいと思ったら、ブルースは必ず身に付けなければいけない。ブルースが理解できなければ、自分がプレイしている音楽をサウンド・グッドに聴かせることが難しいと思う。その意味でブルースとビ・バップはグッド・ミュージックへの接着剤のようなものじゃないかな。

いいこと言うなあ、と思いました。私は彼のTwisted Bluesシリーズが大好きで、先日My Music Masterclassでリリースされた彼の教則動画シリーズも見ました。そして少し悲しいのですが、私の周囲にはオズ・ノイに興味がある人がそれほど多くなかったりします。

それはさておき、ジャズをプレイするにあたってブルースという要素は避けて通れないものであるのは間違いないでしょう。ブルース的な音使いや、ブルージーな雰囲気をあえて取り入れない、という選択をするとしても、一度は何らかのかたちで通過すべきものではないかと個人的には思います。

何を当たり前のことを、と思われるかもしれませんが、ブルースを避けている人は案外多いように感じています。以前、あるギタリストと話している時に「ブルースって好きじゃない。だってブルーススケールってかっこ悪いんだもん。」ということを言われ、驚いたことがあります。

その時、ブルーノート・ペンタトニックスケールが格好悪いのではなく、それを使ってかっこ良く演奏するのが難しいということなんじゃないのか、と反論しようかと思ったのですが、感じ方は人それぞれであって、その人がかっこ悪いと感じているならそれで話は終わりですから、何も言いませんでした…。

大昔のドが付くブルースや古いジャズをたくさん聴いたことがある人の場合ブルース感覚は自然に身体に入っていることも多いと思いますが、コンテンポラリー・ジャズから聴きはじめたという人にとってブルースは意外にとっつきにくいところがあるらしい。ごく当たり前のブルース・リックを知らない人も多い。

確かにブルージーなフレーズ、ブルース感覚はある程度意識的な練習を積まないと自分の言語にするのは難しいかもしれない、とは思います(むかしそう思ってブルースに特化したレッスンを受けたことがあります)。あとブルースの世界は本当に深いですね。広さはないかもしれないけれど、深い。

ブルース感覚に溢れたギタリストといえば、オズ・ノイは勿論、チャーリー・クリスチャン、ウェス、グラント・グリーン、ケニー・バレル、ベンソン、メセニー、ジョンスコ…というかほぼ全員か(笑) ただ現代のジャズ・ギタリストにはブルースを意図的に回避するタイプのギタリストも確かにいますよね。

そういう人でも一度はブルースを通過しているんじゃないかと思います。余談ですがブルーノートを一切使わないのにブルージーなプレイをする人もいると思います。ウェスやケニー・バレルなどはコードトーンだけ弾いていても譜割りとフィールでブルースになっていることがよくあるように感じます。

ブルースの世界は深いと上で書きましたが、それは紋切り型でそう書いたのではなく、何というか、ブルースの本質は単にブルージーなフレーズやブルース・リックを弾いているだけは迫れないような気がするからです。

素材としての、「隠し味・調味料」的なブルース。俺はこんなフレーズも弾ける、というブルージーなフレーズ。それを超えたところにある(ように思われる)ブルースの本質。それって一体何だろうと時々思います。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 927

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>