ジム・ホールは著書”Exploring Jazz Guitar”でこんなことを言っています。
短編小説という形式はミュージシャンにとって特に有益なものでありうる。作曲家にとっても、インプロヴァイザー(即時的な作曲家)にとっても。(そこでは)すべてが本質的なものに、ベアボーンに集約されており、後にそこから長編小説が生まれてくる骨組みのように思えるほどだ。
短編小説の最初のセンテンスは決定的に重要である。それはジャズのソロのはじまりのように、あなたの気を引く役割があるのだ。
はじまり、出だしが大事、というお話です。これは本当にその通りだと思いますが、同時に、ソロでいちばん難しい部分だとも思います。自分は何を弾くのか。弾きたいのか。何を言いたいのか。それはやはり事前に強く「予感」して(完全に予測はできないとしても)はじめるべきなのでしょう。
ジム・ホールはこのチャーリー・クリスチャンのソロの最初の4小節がかなりお気に入りだったようです。ベニー・グッドマン・セクステットとの”Grand Slam”のソロ(0:39〜)。付点4分音符と8分音符の「ター・タッ」というリズムが印象的。ジム・ホールが得意としたモチーフの展開、ストーリーテリングを思わせる演奏です。
ジム・ホールは同書の他の箇所でこんなことも言っています。
ソロとは、正しいコードに対して正しいスケールを弾くこと以上のものだ。ソロには内容がなければならない。すなわち、内なる意味である。
毎日の練習で、あるいはセッションで、常に何かを言うような、伝えるようなフレーズではじめるようにしないと、とあらためて思いました。ホール先生が書いているように、これは作曲とも深いつながりがありそうですね。
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