ギタリストがギターやアンプ等の新機材を購入する際、最も懸念されるのは配偶者や彼女といった人々による「強烈な不満と断固たる反対」です。いかに彼女たちを説得するか。そのための正当化(屁理屈とも言う)パターンをいくつか列挙してみます。
単板のギターを買う場合
- 単板のギターは弾けば弾くほど鳴るようになる。自分とともに楽器が育つ。プライウッド(合板)のギターとは違う。そういう良い楽器が必要だって気付いたんだ。一生ものの楽器だよ。適当に衝動買いしたわけじゃない
本当は衝動買いだった場合
- 出会いほど大切なものはないよ。あの日あの場所でこのギターと出会った。僕が君とあの日あの場所で出会ったように(※照れずに真面目に言う)。理屈じゃないんだ。理由なんか全部後付けだよ。そういう時は買わないと。買わずに後悔するくらいなら買って後悔したほうがいい
プライウッドのギターを買う場合
- 単板のギターは鳴るまでにある程度の時間がかかるものなんだ。プライウッドならわりとすぐに鳴るしハウリングにも強い。実践派にはプライウッドが必要なんだ。道具としてガンガン使うギターとしてプライウッドは1本必要
ガットギターを追加購入する場合
- ボサノバを弾くならガットギターがないと話にならないんだよ。セミアコやソリッドであのバッキングをしても格好付かないじゃないか。ジョギングにはスニーカー。山登りにはトレッキングシューズ。それはわかってくれるよね?
エレガットを追加購入する場合
- ボサノバを弾くならガットギターでないと話にならないことは前にも言った。何故エレガットも必要かというとライブやセッションではマイクで音を拾うとハウったりするからコイツで妥協する必要があるんだ。俺だって無駄な買物はしたくない。仕方なかったんだよ。事故みたいなものだ
サイレントギターを追加購入する場合
- 君が寝ている時でも台所で練習したい時がある。これがあれば誰にも迷惑がかからない。本当に素晴らしいものだよ。技術の進歩万歳!
フルアコ持ちがセミアコを追加購入する場合
- 14フレットジョイントと19フレットジョイントは全く違うものなんだ。全然違う楽器と言っても大袈裟じゃない。フルアコと違ってハイポジションが格段に弾きやすくなるんだよ
- 14フレットジョイントと16フレットジョイントは…(以下同様)
- 俺はもっと現代的なプレイをすべきじゃないかと思ったんだよ。これは単なる新しいオモチャじゃない。俺の想像力を刺激する新しいパートナーなんだ
セミアコ持ちがフルアコを追加購入する場合
- セミアコはセミアコで素晴らしい楽器だ。しかし音一発の説得力みたいなものはやはりフルアコが勝るということに改めて気が付いたんだ
- セミアコはローポジションがやたら弾きづらいからね。難しいコードを弾きすぎて腱鞘炎にならないためにもフルアコと使い分けないと
- フルアコを鳴らすには技術が必要。フルアコで修行すればセミアコもうまくなるんだ
箱物ギター愛用者がソリッドギターを追加購入する場合
- 14フレットジョイントと19フレットジョイントは全く…(以下略)
- サステインの伸びが違う。ギターという楽器の特性に縛られず、ホーン奏者のようにロングトーンを決めるにはこれが必要だ
- ジャズ以外の音楽、つまりロックとかパンクをやる時に1本持っていると便利なんだ(ロックやパンクを演ることは皆無だとしても)
はじめてチューブアンプを購入する場合
- ピッキングニュアンスを確実につかむためにはチューブアンプで練習する必要があるんだ
- 真空管のこの暖かい音には何物にも代えがたい魅力があるんだ
トランジスタアンプを追加購入する場合
- やはり壊れにくく安定しているし持ち運びしやすいからセッションやライブで活躍するんだ
- このコンプがかかったような安定した音。楽器のコントロールよりも、音楽そのものにより集中できるような気がするんだ
禁句(炎上を招くため決して口にしない)
- 君だって靴はたくさん持っているだろう?
- 君だってバッグはたくさん持っているだろう?
- 1回に弾けるギターは確かに1本だよ。でも君だって1回に着れるシャツは1枚だろう?
- 今回の購入は我が国の主権の範囲内であり完全に合法的なものだ。第三国は言動を厳に慎むよう求める
- いつも同じギターだと飽きるじゃないか