今日でもう今年も終わりですが、今年は「これを続けていけば確実に上達する。しかも速く上達できる」と確信を持った練習方針があります。
それは次のようなものです。
- 毎日様々な種類の練習をする。多岐にわたる練習項目をこなす
- 個々の項目に費やす時間は長すぎてはいけない
- 1つの項目に費やせる時間が1分間だけでも毎日続けると確実に効果がある
- 練習項目を変更する場合は、最低でも30日以上経過したものと入れ替える
- 大切なのは毎日それを続けること。この基本方針を維持すること
数カ月前、大学教員の友達に面白い話を聞きました。彼は非常に忙しい人物で、講義は勿論、生徒のレポートや試験の採点もあるし、論文の執筆もあるし、複数の学術書の翻訳作業も抱えています。そんな彼はそれらの様々な「ホームワーク」を、「毎日ちょっとづつ前に押し進めている」とのことなのでした。
どういうことか。例えば複数の学術書の翻訳の場合、私自身の性格だったら「1冊の翻訳を全て終えたら次の本に取り掛かる」と思います。なんとなくそのほうが効率が良さそうで、作業も早い予感がします。同時にいろいろ手を付けても、集中できる気がしない。途中までビルドした集中を中断するのももったいない。
しかし彼は次のように言いました。
直観的にはそう思えるよね。ボクも同じように思ってたんだけど、同時にちょっとづつやるほうが実際はずっと効果的だよ。毎日おんなじものをたくさん食べるんじゃなくて、いろんなものをちょっとづつ食べるみたいなイメージで仕事するんだ。すると何ヶ月後かにはいろんな仕事が片付いてるんだ。しかもストレスなくね。
これを聞いて「やはりそうか!」と思ったのでした。私も今年はギターの練習において同じようなことを考え、実践していたからです。
ギターでジャズを弾くといっても、本当に様々な項目を習得する必要があります。ギター特有の様々な奏法は勿論、運指速度・持久力の向上、ハーモニーとリズムの探求、任意のアイデアを展開する練習、アーティキュレーションの練習。トランスクライブ。技術を安定させる練習とは別に創造力を鍛える練習も必要。
本当にやりたいこと・やらないといけないことがたくさんあるのですが、たとえば「難しいコードは、シングルラインで満足の行くソロが弾けるようになってから取り掛かることにしよう」などと考えていると、多分その「難しいコード」の練習に取り掛かるのは相当先のことになってしまう。
場合によっては永遠に取り掛かれないかもしれない。何故なら「シングルラインでのソロに満足」する日は決してやってこない可能性が非常に高いからです。そして、自分にとって新しい奏法、新しいサウンドが身体に入るまでは相当な日数がかかる。だからそれは1日でもはやく取り掛かっていたほうがいい。
とはいえ1日の中で練習に費やせる時間は無限ではない。そしてある練習に納得が行かない場合、かなり長い時間をそれにかけてしまい、気がつくと他の練習をする時間がなくなっていた。そんなことが私にはよくありました。そこでタイマーを使って練習を管理する、ということを今年は実践したのでした。
写真左のキッチンタイマーは500円程度で変える安価なものです。時間をセットする、スタートしストップするという機能しかない超シンプル設計のもので、音量調節さえありません。でもこれが今年は最高に活躍しました。メトロノームと組み合わせて使っています。
スマートフォンにもタイマー機能はありますが、iRealPro等のアプリとの併用時に不便。というかインターネットというエンターテイメントに直結しているスマホは練習時、なるべく手元に置かないようにしています。
最初の頃は5分単位でいろいろな練習をしました。150分(2時間30分)あれば大体30種類の様々な練習を遂行できるわけです。しかしすぐに「1項目5分は長い」と思うようになり、「2分」の練習に変更しました。やがて「この練習は2分でも長い」と思うものが出てきたため現在は基本的に「1項目=1分」です。
ウォームアップやスローテンポで練習する必要があるものは例外的に5分〜15分かけてやる項目もあるのですが、テクニック強化を目的としたループ的な練習などは1項目1分で本当に十分。それを1日に何十種類もこなすという感じです(ある練習は何分が適切なのかは勿論人によって違ってくると思います)。
こういう細切れの練習にはあまり効果がないような気がしていたのですが、実際に何ヶ月かやってみると「この方法はかなり良い」と思うようになりました。この練習方法は集中力が持続し、しかもゲーム感覚で楽しくできるところもあるので、開始するとあっというまに2〜3時間経過するほどです。
こういうタイマーで管理する練習を毎日やるのですが、勿論それ以外に、タイマーもメトロノームも使わない練習もやります。それはそれで別途必要なのは間違いないとも感じています。
普遍性のある練習法というものは存在しないでしょうし、私も来年の今頃これと全く同じやり方で練習をしているとは限りません。でも今年はとにかくこの方法が役に立ちました。1分間は完全に集中して練習。うまく弾けないと悔しい。でもタイマーが鳴ったら終了。はい次。はい次。時間と人生は有限也。