私はジャズギターをはじめたばかりの頃、よくこんなふうに思っていました。今でも憶えています。
ジョージ・ベンソンの速弾きはすごいなぁ。一生頑張っても俺はあんなふうには弾けないだろうな。
パット・メセニーはなんで息をするようにメロディが出てくるんだろう。あれは同じ人間じゃないよ。俺はあのレベルまで行けないから、もっと簡単な内容で楽しもう。
ハービー・ハンコックのポリリズムとか複雑すぎて絶対無理。あれはもう脳の構造が俺なんかとは違うんだ。
これは大きい間違いだったと思います。練習という行為は「無意識を育てる」ことであって、常日頃から「自分にはあれはできないなぁ」などと思っていると、それが無意識に刷り込まれてしまって本当にできなくなってしまう。
本当はある程度速く弾けるはずの人でも「ベンソン? 無理無理w」みたいに思っていたら脳にブレーキがかかってしまうはず。
だからやっぱりこんなふうに、別の表現で自分の無意識に語りかけるべき。
ジョージ・ベンソンの速弾きはすごいなぁ。すぐには無理だけど、この調子で練習すれば10年後くらいには似たような雰囲気を出せるかも。
パット・メセニーはなんで息をするようにメロディが出てくるんだろう。人間はあそこまで行けるんだ。俺も頑張ってあの領域を目指そう。近づいて行こう。
ハービー・ハンコックの複雑なポリリズム、どうなっているんだろう。この音型は頭から始めた時、何回目で何処に着地するんだろうか。計算してみよう。
自分を否定しない。自分にはできない・無理とは思いこまない。地道に継続していればいつかできると信じる。つまりポジティブかつ楽観的、丁寧であり続ける。
他人の悪口は言わない。興味がなかったら離れる。良いと思ったものはどんどん吸収する。面倒臭がらずに観察し分析する。脳と無意識に栄養を与えるつもりで、良いことだけを考える。