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テーマの本は結局どれが良いのだろうか

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時々プレイヤー仲間と、テーマの本(スタンダード曲のメロディやコード進行が記載された譜面集)はどれを買ったらいいんだろう、という話になります。

現在日本で普通に入手できるものは大体以下のようなセレクションでしょうか。

流通量からするとNo.1は納浩一氏監修の「ジャズ・スタンダード・バイブル」でしょうか。「黒本」という愛称が定着しているくらいです。この本は重宝されていて、多くの人が基本的に敬意を払って使っていると思います。

セッション後に他の人と話していると、これらのテーマ集について「あの本、コード進行間違ってない?」とか「あんな進行、ありえないと思う」みたいな話になることがあります。確かに最人気と思われる「黒本」にも個人的に「えっ!?」と思う進行を見かけることがあります。

じゃあアメリカ発のThe Real Bookを使えばいい、という簡単な話でもなかったりします。The Real Bookでも相当おかしい(そのまま弾いたらワークしない)コード進行をよく目にします。あと版によっては超定番スタンダードがどの巻にも掲載されていない(確か酒バラとかJust Friendsとか載っていないような気が)。

最終的にはどれが「正解」とは言えないでしょう。「黒本」が使いやすくて便利なのは間違いないけれど常に最適なことが書かれているわけでもない。その曲はじめてやります、という人とセッションする時に問題が発生することもあるかもしれないけれど、それはそれでお互いの学びの場にすれば良いのだと思います。

私自身はここ数年The Real Bookと「黒本」を併用しています。どちらかを盲信するということはありえなくて、それらをベースにプロの演奏やジャム・セッションの現場で使われている進行も併せて参考にしつつ、自分のやりたいようにやります。原曲に最大限のレスペクトを払いつつ、自分が最適と考えるコード進行で演奏(そもそも毎コーラス同じ進行で演奏する人もいないはず)。

コミュニティという側面から見ると確かに問題が発生することはあるのかもしれません。本当にはじめたばかりの初心者は混乱することもあるかもしれない。でも本にどんな進行が書かれていようと、自分にとって不自然なものは最終的には自分のものにはならないのだから、考えすぎなくても良いように思います。

「楽譜にb13って書いてあるんだから♮13は使っちゃいけないじゃないか!」みたいなことを言う頭が固…真面目な人もいると思うのですが、そういう人とはやややりづらい(笑)勿論「イパネマの娘」の6小節目の裏コードGb7をC7にしてしまったら原曲の雰囲気と違ってしまうから、何でもありとは思わないけど、コード進行よりも大事なことはいっぱいあるはず。

セッションに限って言うなら、リズムをしっかりキープすること、コード1つ1つ中で何をやるかよりもメロディの横の流れをより強く意識すること、曲のサイズは絶対に間違えないこと。そういうことのほうが大事だと思っています。


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