格闘家ブルース・リーの言葉を紹介します(このブログでは度々ブルース・リーの言葉を取り上げていますが、それは武術についての彼の洞察がほとんどそのまま即興演奏家にも有益であると考えるからです)。
Vary your partner and you will not be fixed at a specific tactic or cadence.
パートナー(対戦相手・練習相手)を変えれば、特定の戦術や動作に縛られることがなくなるだろう。
Tao of Jeet Kune Do – Bruce Lee
上の言葉における「パートナー」を、例えば「セッション相手」と読み替えるとどうでしょうか。
セッションに参加し、他人と一緒に演奏することは短期間での上達、継続的な成長のために必要不可欠なことだとよく言われます。私もそう思います。
そのセッションにも、居心地の良いもの、微妙に居心地が悪いものがあると思います。上手な人・気心の知れている人との演奏には安心感があり、お互いの意図がそれなりにわかっているのでより多くの冒険を試せることもあると思います。
と同時に、やはり全く知らない人とのセッションにも積極的に参加したほうが良いのだろうと思います。そう簡単にお互いの言語が通じないような状況で何処まで音楽できるか試してみる。そこには居心地の悪さ、心もとなさもあるとは思いますが、それ以上に新鮮な発見や驚きがあると思います。
ちなみに上でブルース・リーが “Cadence” という言葉で指し示しているものは、和声理論におけるそれではなく、「一連の動作・リズム」という意味だと思いますが、恐らく「武者修行」として知られている行為は、こういう「得体の知れない相手と手合わせする」ことを意味するのでしょう。
気心の知れたいつもの仲間とのセッションも楽しいですが、時々 away で演ってみることも忘れないようにしたいですね。
![Tao of Jeet Kune Do](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41El1qUI73L._SL160_.jpg)