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ジュリアン・ラージが最初に父親に教えてもらったこと

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ジュリアン・ラージが2015年のGuitar Powerでのインタビューで、最初に父親に教えてもらったことについて話しています。

父さんがはじめてギターを教えてくれた時、特定の曲とかスタイルではなくて、これ思い返すと素晴らしいんだけど、これがスケールだよって教えてくれたんだ。ペンタトニック・スケール、ブルース・スケールさ。ここで弾けるぞ、ここでも、ここでも弾けるぞって教えてくれて、キーはAだったと思う、ハイポジはどこまで上ったかわからないけど…そしてブルースのコード進行をやる場合、その中のどの音を弾いてもOKだし、このスキルは役立つぞって教えてくれたんだ。もうギターに夢中になってしまったよ。今日でもそういうふうに感じているし、ただもっと上達したくて、学び続けているところさ。

この幼少時のエピソードはジュリアンにとって大事なものだったらしく、他のインタビューでも話しています。彼の父親は「もし曲を覚えさせようとしたら、間違って演奏する可能性があるし、すると挫けてしまうのではないか」と考え、ジュリアンにまず自由即興をさせることにしたようです。素材はAマイナーペンタ一発。

いわば「挫折なきギターレッスン」というか、ここから始めてしばらくは「足し算によるギター習得」ができそうな、良い練習ですね。ジャズではよく「ペンタ一発」は蔑まれることもありますが、本当にペンタトニックでの表現をモノにしている方は、そう簡単にペンタを馬鹿にしたりしないはず。

お正月休みにたくさんギターを弾いている方も多いと思いますが、真面目な練習に疲れたら自分を充電するつもりで、iRealをバックにペンタ一発でブルースを楽しんでみてはどうでしょうか。FブルースならFマイナーペンタ。BbブルースならBbマイナーペンタ。これは立派な「制限付き練習法」で、特に自分の歌心、クリエイティビティと向かい合うのに良い練習ではないでしょうか。

マイナーペンタ一発で、手癖ではなく、メロディを弾いてみる。マイルス、ロリンズ、コルトレーン、キャノンボール、デクスター・ゴードンといったジャズ・ジャズアントたちのブルース演奏を鳴らして一緒に演奏するのも楽しいです。「ジャズっぽいフレージングのリズミック・フィギュア」が自然と身体に入ってきます。

複数のペンタを切り替えたり、9thと6thを足してドリアンにしたり、2-5を入れたり、VI7でHP5を使ったり、アルペジオやクロマティック・アプローチも使ってターンアラウンドで細かいフレーズを弾かないとジャズっぽくならないじゃないか、と言う方もいるかもしれませんが、それらはペンタ一発でメロディを歌えてはじめて破壊力が出てくるのではないかと個人的には思っています。

下の本は、入門者向けではないかもしれませんが、何年も使える良い本です。ペンタトニックのポジションを完全に知り尽くしている方なら取り組んでみると発見があると思います。

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