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フレッド・フリスと、エレクトリック・ギターのありうる姿

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日本語ではよく「〜のあるべき姿」という表現が使われますが、フレッド・フリス(Fred Frith)の関心事は「ギターかくあるべし」ではなく、「ギターは何になりうるのだろう?どんな音が出せるのだろう?」というところにあるような気がします。これは2007年の演奏ですが、感動しました。

いわゆるフリージャズに興味がない方でも、ギターをやっている方であれば楽器のコントロールやリズム感がすごい、と感じないでしょうか。匠です。人間国宝の仕事を見ているかのようです(楽器の演奏というより、大工さんや外科医の仕事を見ているかのよう)。そして紐がこんなに良い音がするとは(スウェードかな?)…

下のワークショップ(これも恐らく2007年頃)では彼が何を考えているかが少しわかって、面白いです。「エレクトリック・ギターなどという楽器は存在しない」という話や、ギターの音をどうやって伸ばすか、という話題を取り上げています。

彼はギターを何にでもなりうる楽器として捉えているようです。この点においては、最近このブログでよく紹介させていただいているメアリー・ハルヴォーソンよりも抽象度が高く、フレッド・フリス氏は「ギタリスト」というより「楽器奏者」という感じでしょうか(実際彼はマルチ・インストゥルメンタリスト)。

もはやギターでも、ギタリストでもない、のかもしれないのですが、実際に使っているのはギターであり、音もこのギターから出ています。様々なフリー系ギタリストの中でも一線を越えている感じのする方ですが、音楽として魅力を感じるので、それで良しとします(魅力を感じない方、すみません…)。


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