メアリー・ハルヴォーソンのメインギターは1970年製のGuild Artist Awardですが、17インチというサイズもあって飛行機移動の際にストレスに感じることがあるそうです。そこで彼女はNYC在住のルシアー、Flip Scipio(フリップ・スキピオ)氏に分解可能なギターをオーダー。この動画で弾いているギターです。ノエル・アクショテとカーラ・ブレイの曲を演奏しています。
すごい…
このギターの詳細ページはFlip Scipio | Convertibleです。”Vega”というモデル名らしいですが、ハルヴォーソン氏のギルドのネックシェイプを再現し、ピックアップもオリジナルのディアルモンド(モデル1100)を搭載。デタッチャブル・ネックではあるものの音は妥協していないようです。面白いのが、フラットトップであるということ。確かに彼女のアーティストアワードとフラットトップをミックスしたような音。
Images from Flip Scipio | Convertible – visit the link for full information and more pics.
簡単に取外可能なサウンドポストが内蔵されていて、そのおかげで大音量でもフィードバックしにくくなっているそうです。ネックジョイントのデザインはRichard Heeresというオランダのルシアーによるもの。
フリップ・スキピオ氏はオランダ出身で、スペインのマドリード、ロンドン、サンディエゴ等で学んだ後、1986年にギルド社にリペアマンとして入社。そのため彼はハルヴォーソン愛用のギターを知り尽くしているわけですね。その後、Mandolin Brothersにも6年間在籍。
ポール・サイモン、マーク・リボット、レニ・スターン、ニア・フェルダーもスキピオ・ギターの愛用者らしいです。
フリップ・スキピオ氏はかなり冗談好きらしく、ブリティッシュ・ユーモア溢れる自己紹介等が氏のサイトで読めます。ご興味のある方はご一読下さい。彼のギターは基本的にワンオフでウェイティング・リストは長いようです。