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上原ひろみのセブンルールに学ぶ

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少し前に「セブンルール」というテレビ番組で「上原ひろみさんのセブンルール」が放送されていました。なかなか考えさせられるところの多い内容でした。

1. 毎回88鍵に挨拶する

上原さんは演奏会場に着くとピアノの88鍵を全部弾いて「自分はこういう者です」と挨拶をされるのだそうです。ギタリストや管楽器奏者は愛用の自分の楽器で演奏するのが普通なのでフレットやキーの隅々まで既に仲良しだと思いますが、ピアニストと楽器の間にはそういう一心同体的な関係とは少し違う、微妙な緊張感があるように思いました。

ところで22フレットのギターだと挨拶する相手は開放弦を含めると138人。21フレットのギターなら132人。多いですね。たまにきちんと挨拶してみようかな(低音弦側の上のほうに知らない人が結構いる…)。

2. 本番前にお腹いっぱいにする

パット・メセニーは若い頃、演奏の1日前から何も食べないみたいなことがあったそうですが、上原さんの演奏スタイルを考えると1ライブ毎に2kgくらい減っていてもおかしくないように思えるので、これは食べないともたないだろうな、と思いました。上原さんのラーメン好きは有名ですね。東京・目黒にある「かづ屋」のワンタン麺がイチオシだそうです。

3. OFFの日は観客になる

OFFの日は積極的に他のミュージシャンのライブへ。番組内ではブルーノート東京の2階VIP席で赤ワインを飲みながらロイ・ハーグローヴ・バンドをノリノリで楽しんでいる姿が紹介されていました。シットインしているような勢いでテーブルを指ではじいているお姿が印象的でした。

4. ホテルの部屋にキーボードを置く

上原氏は練習用の鍵盤楽器を現地調達されることが多いらしく、番組ではパリのとあるホテルの部屋でキーボードを組み立てるお姿が。海外でのツアーにはマネージャーさんが同行しないため、重い機材が届くと組み立てにひと苦労するそうです。小柄な女性が何十キロもある鍵盤をスタンドに載せるのは大変でしょう。

仮にレンタルしたそのキーボードが気に入らなくても使うしかないわけで、いつでも自分の楽器を持ち歩けるギタリストは本当に恵まれているなと思いました。ピアニストは身一つで移動できてもこういう不自由さがあります。ピアニストのほうが大変だなと思います(ドラマーさんも同じくらい大変かもしれない)。

5. 現地の言葉で挨拶する

ライブでのMCはなるべく現地の言葉で挨拶されるそうです。番組では現地スタッフにフランス語を教えてもらったり、グルジア(ジョージア)ではグルジア語で挨拶するお姿が。私達も外国人プレイヤーがMCで日本語を口にすると嬉しくなったりしますよね。上原さんの場合は一言二言ではなく、フルセンテンス2行ぶんほど現地語で話していました。

6. 静岡産のお茶を常備する

静岡生まれの上原さんは慣れ親しんだお茶を常備するそうです。ツアーが長いと宿泊先での生活の質を高めることが大事。「いつもの自分」を確認するためのルーティンであると同時に、リラックスするための必須アイテムなのだろう、と思いました。

7. 一生ルーキーでいる

積極的に海外ツアーを続けているのは新人の気持ちを忘れないようにしたい、ということもあるようでした。はじめて訪れる町では自分は新参者であり、その感覚がいい、という感じのこともおっしゃっていました。きっと発見も多いのでしょう。ジャズ系のミュージシャンは1年中ツアーということが多いですが、旅先での体験が良いインスピレーションになるのだろうとも思いました。


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