最近のカート・ローゼンウィンケルは元気にしているのだろうか、と気になって調べたら、先月ポルトガル領のフンシャルで行われたらしいインタビューを発見。最新作”Caipi”のことについてこんなことを語っていました。
(Do you have anything to say to those who miss your previous style?)
All of this music has been in my mind and in my life for the while I was doing my other albums, so this is not new for me. It’s always been there. I think that once the shock of the difference wears off, you’ll hear all the same elements, sound, and depth as before. It has everything I’ve always done and more. It’s more fully myself and I think anybody could enjoy it, including people who like my ‘old’ music (laughs).
(あなたの昔のスタイルが懐かしいと思っている人々に対して言いたいことはありますか?)
この音楽は全部、他のアルバムを作っているあいだもずっと僕の心と生活に存在し続けていたものなんだ。だからこれは僕にとって新しいものではない。これはいつもそこにあった。(表面上の)違いがもたらす衝撃が薄れてしまえば、以前と同じエレメントやサウンド、深さが聞こえてくると思うよ。僕がこれまでやってきたものが全てあるし、それ以上のものも含まれている。これは今までよりも完全に僕自身であり、誰でも楽しんでくれると思う、僕の「昔の」音楽が好きな人を含めてね(笑)
これはカートらしい答えですね。一般的にはドラスティックにスタイルが「変化」したと受け取られた”Caipi”ですが、ハーモニーもフレーズも歌心も私にとってはやはりずっと聴いてきたカートでした。「変わった」とか「進化した」とかいうのでなく、「これは今までよりも完全に僕自身(it’s more fully myself)」という言葉が、何ともカートらしい感じがします。
変わる、変わらない。古い、新しい。そうではなくて、どれだけ自分自身の音楽に近付けたか。やっぱりすごいミュージシャンは言うことが違います。カッコいいなぁ、カート。
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