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にもかかわらず愛される価値

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時々、足を運ぶ飲食店がいくつかあります。正直、接客は悪いほうです。オペレーションも円滑とは言えなくて、料理が出てくるのが異様に遅かったり、要領が悪かったり。店員さんが無愛想だったり、店が狭かったり、散らかっていることも。

でも、また行ってしまう。そういうお店があります。接客やサービスでちょっとだけイライラしても、仕方ない。構わない。また行く。何故か。

そのお店の料理が唯一無二で、他のお店では食べられないからです。すごくおいしい。「他所にはないあの味」がある。そういうお店にはやはりまた足を運んでしまいます。

これ、ギターの世界ではGibsonのことではないか、と思うことがあります。Jazz Guitar ForumのGibson ES-275というスレッドで、ある方がギブソンのギターは「設計が良いが、施工が悪いのが多い」と書かれていて、そうそう、と膝を叩いたのでした。

ギブソンのギターの工作精度はアメリカ人にも揶揄されていますが、それでもみんなギブソンを使い続けてしまうのは、「他にはないあの音」があるからでしょう。ピックアップやテールピースが曲がって付いていたり、ブリッジの穴の位置が間違っていたりとか、そういうことが多いのはわかっていても、それでもみんな買ってしまう。それがギブソン。

それでも愛される何か。にもかかわらず愛される価値。それがギブソンにはあるのでしょう(ギブソンの回し者ではありません)。

ところで自分にはそういう価値があるだろうか、とふと思いました。人間誰でも欠点や短所があるはずで、私も短所だらけです。

あいつはいろいろとダメだ。あれもダメ、これもダメ。でもあいつのあれ、あれはあいつにしかない。あいつのあれ、あれは、いい。

そういうものを持てるようになりたいな、と思います。音楽表現においても、生活においても。


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