古来よりギターの指板上には演奏者が自分の位置を見失ってしまう「魔の海域」が存在すると言われている。所謂「バミューダトライアングル」だ。現代科学でも十分に解明しきれていないその謎にJazz Guitar Blog取材班が迫った。
「5弦8フレットのFより上に行こうとした時だと思う」
生還者・スカリーは遠い目をして我々取材班に体験を語る。
急に暗雲が立ち込めて、視界が悪くなったの。いつもならそこがF#だとか、Bとか、Eとか、十分によくわかっているつもりなのに… 霧に包まれて急に見えなくなって… 気がついたらヘンな音をたくさん弾いていた。一体何が… その後の記憶がなくて…
セッションホストの人が、もう大丈夫だ、気にするな、もう演奏は終わったんだ、って私の肩をつかんで激しくガクガク揺さぶっていて。もう思い出したくない。
その時、スカリーの目に指板は下のように見えていたという。魔の海域バミューダ・トライアングルは、8F〜12F付近、主に3弦から下に出現することが多いという。
バミューダトライアングルからのもう一人の生還者・モルダーはその恐怖体験を次のように語った。
13フレットから上の海域に差し掛かった時、もう何も見えなくなった。俺がいけないんだ、だって普段からそんなとこ弾く練習なんか全くしてなかったからね。でも演奏中に熱くなってしまって、つい行ってしまった…もう何の音だか… 眩しい光が僕の全身を包んでいって… 頭が真っ白に…あれもFBIが…気がつくとセッションホストの人が、ドンマイドンマイ、よくあることさ、って肩を抱いてきて…
その時、モルダーの目に指板は下のように映っていたという。もはやそこに実音名はほとんど見えず、意味不明な想念、どうでもいい単語が漂っているように見えたという。音名を見失ってしまった恐怖から来る現実逃避が指板をこのような異形に変えてしまうのであろうか。
スカリーとモルダーの2人は何とかこの魔の海域から戻ってきた。だが毎年数多くのギタリストが指板上に突然現れ、音名を覆い隠すこのバミューダトライアングルに飲み込まれ、消息を絶っている。対策としてはやはり指板上の音名をキッチリ徹底的に記憶するしかない。今からでも決して遅くはないはずだ。
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上の動画はJazz Guitar Forumのジャズ ホントのビギナー どんな練習してますか?というスレッドで教えていただいたもので、オーストリア出身のギタリスト、アレックス・マカチェックが音名の覚え方を解説しているものです(ここで入手できます)。この人、本当にトークが面白い人で私は一発でファンになりました。バミューダトライアングルに心当たりのある方は是非見てみてはどうでしょうか。
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