ニア・フェルダーのメイン・ギターは13歳の時に買ったフェンダー・メキシコ製のストラトキャスター。$250で購入したそうです。1995年当時のレートだと25,000円弱。恐らく中古でしょう。ピックアップも吊るしのままだ、と読んだことがあります。
JazzTimesのインタビューで彼はこんなことを言っています。
ジャズは一方ではハイ・アート(芸術)だけれど、一方ではフォーク・アート(民間芸能)だ。$15,000の楽器でフォーク・アートを生み出すことにどれだけの意味があるのか僕にはわからない。
Jazz is one part high art, one part folk art, and I don’t know how much sense it makes to make folk art on a $15,000 instrument.
なかなか耳の痛い言葉です。私のメインのギブソン1本で多分フェルダーのストラト10本は買える。もっと高いギターをお持ちの方も多いはず。良い楽器を使うことに後ろめたさを感じる必要は全くないと思いますが、「ジャズは高級な芸術じゃないんだから250ドルの楽器で弾いたっていいんだ」という感覚は、いいな、と思ったのでした。
最近人に借りているストラトキャスターをよく弾くのですが、コストパフォーマンスの良い楽器だなと思います。板切れにネックをネジでポン付けするという、アメリカンDIYスピリット溢れる適当構造のとんでもない楽器なのに(※褒めてますw)、とても良い音がします。
ネックのヒール部とか真四角なブロック状で、15フレットあたりから上は手のひらにゴツッと角材が当たってくる不親切設計。超アメリカン。ステーキ食って、野球やろうぜ!みたいな感じ。ジャズももともとそういう感じだったんだろうか。
150万円の楽器も魅力的ですが数万円のストラトも良いものだ、と思います。最近の高級ストラトには、ネックヒールがコンター加工されていたりリアピックアップにトーンがあったりジャンボフレットだったり指板が平坦だったりと便利なものもあるらしい。そういうのも面白そうですが、洗練されていないものも魅力があっていいです。
バネやサドルを替えたり、ヘッドに下のような意味不明の物体を装着して遊んだりと、ジャンクな感じがたまりません(笑)。シングルコイルのピックアップも「ジー…」というノイズが大きいけど、「許す。お前はそういう楽器だ。」という感じです。
売り上げランキング: 13,195