私はよく自分のためのエチュード(練習曲)をつくるのですが、同じようなことをされている方はいるのでしょうか。よろしければポチッと投票いたただけると幸いです。
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最近エチュードを作成する機会が増えました。作曲、というほど大袈裟なものではなくて、その時々で自分が身に付けたいと思っているもの、不得意としている課題等を、12〜36小節程度にコンパクトにまとめたものです。日々の練習で1日1回は弾いたり、仕事の合間や出先で読んだりもします(楽譜は読むだけでも良い練習だと思います)。
私のエチュードは他の方が見ても面白くないはずなので公開しませんが、私はそれを “Taolu” (=套路・とうろ)と名付けています。その言葉の意味は以前この記事で触れたのですが、一言で言うと「一連の身体動作、一度行うだけで、それぞれの技とそのつながりを練習することができる効率のよい練習法」という意味です。
Taolu #23, Taolu in Ab, とか色々な「タオルー」が貯りました。大体1タオルー1枚の紙なので、いつでも持って歩けます。様々なテーマのタオルーがあるのですが、こうした自分用エチュードの作成時には次のことを心がけています。
- 何のためのエチュードか(どんな成果を得たいか)、目的や目標を設定すること
- エチュードを構成する各部分は、部分として取り出した時に100%音楽的であること(実際に使えるものであること)
- エチュードの全体も、可能な限り音楽的であること
- 演奏するのが極端に難しいものでないこと(※難しいテクニックの習得を目的としたエチュードの場合は除く)
- 弾いていて楽しい・気持ちが良いものであること(技術的に難しい内容でも)
- 可能な限りコンパクトなものであること
スタンダード曲のコード進行をベースにしたり、12小節のブルースを想定したり、あるいは特定のハーモニーの習得が目的の場合は自分で作曲的にコード進行を組み立てます。その上で、フレーズを組み立てます。一種の「型」のようなものです。
一つのテーマだけを掘り下げたエチュードも面白いし、フレージングには様々な可能性があるんだ、ということを忘れないように、様々なアイデアを詰め込んだエチュードもあります。結構楽しいです。ある程度難しい内容でも、何度も同じことをやるわけなのでいずれできるようになります。自分の成長度合いもわかります。
何度も繰り返し弾きたくなるものであることが大事なので、自分にとって音楽的と思える内容にする必要があります(そのため本当にはじめたばかりの入門者の方には作成が難しいかもしれません)。
例えばII7が苦手ならII7を必ず入れたり、マイナーコード上で5度上のペンタトニックを確実に使えるようになりたい場合はそういうフレーズを、数えないとうまく着地できない感じのポリリズム的なフレーズを入れたり、1フレットから20フレットまで必ず使うというテーマで組み立てたり、多種多様なエチュードが考えられると思います。
何かコンセプトを決めて、つくる。自分が自分のためにつくったエチュード、というところがいちばん意義深い点かなと思います。100%カスタムメイドの練習曲。市販されていない。他人がそれを練習しても意味がない。自分がそれをやることで確実に成長できる。そういうエチュード。結構いい練習法じゃないかな、と思っています。
とにかく止まらずにずっと8分音符で、3連符で、16分音符で弾き続ける、というコンセプトで作曲された有名なエチュードが道下和彦氏の「ギター無窮動」シリーズ。自分のためのエチュードを作成するにあたって、参考になるところが多いと思います。おすすめです。
「この本のフレーズをリズミックに改造する」というコンセプトでエチュードを作っても面白いんじゃないかと思います。
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