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大晦日はタイムマシンに乗って

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今日は2016年最後の日、大晦日です。今年はこのブログで例年になく多くの記事を書きました。全体の9割くらいは「お前そんなこと書いてる暇あるなら練習しろ」と言われそうな冗談ばかりでしたが、読んで下さっている方から温かいコメントやいいねをいただくこともあり、つい調子に乗って書きすぎてしまいました。

記事もたくさん書きましたが、ギターの練習量もここ数年間で一番多かったように思います(とはいえサラリーマンの宿命、1日平均4時間程度。来年はもう少し増やしたい)。練習すると相対的に上手になり、相対的に上手になると集中力も増して練習時間も増える。そういう好循環の中で今年は練習を続けることができました。

モチベーションが低い日もとにかく弾き続けました。アドリブに疲れたらアルペジオ、フレーズ練習に疲れたらトランスクライブ、と趣向を変えつつとにかく弾く環境に持っていく。セッションに出て、新しい音源に触れ、本当に壁にぶちあたったら美術館に行ったり、このブログで冗談記事を書いたりしましたが、とにかく弾くようにしました。

自分自身を蔑むことは成長のために良くないので、私はヘタクソなのです、とは口にしないようにしているのですが(それは頑張っている自分に対して失礼だから)、でもまだ自分は決して上手ではないし、自分の腕前には満足できていません。なぜこの速さで弾けないんだろう、なぜここでいつも…、と落ち込むことのほうが多いです。

そんな時は「タイムマシン」です。これは何年か前も記事で書いたと思うのですが、ジョン・ダミアンというアメリカ人ギタリスト(バークリーの有名な先生)の「ギタリストのための作曲とインプロヴィゼイションの手引き」という著書に書かれていた、一種セラピー的な側面のある練習方法です。

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やり方は簡単です。右利きの方は右手でフィンガーボードを押さえ、左手でピックを持ちます。左利きの方は左手で押弦し、右手でピックを持ちます。そして、いつもだったら簡単に弾けるはずのペンタトニック・スケールや、1Fでバレーするあの「F」を弾いてみます。

大部分の人は、こんなもん弾けるわけねーだろ!! と思われるでしょう。しかしジョン・ダミアン氏は、君、ギターはじめた時ってそうだったじゃないか、と言うのです。最初、全く弾けなかっただろう。ペンタもFも、どうやって弾くんだろうと1音1音、押さえる場所を確認しながらゆっくり進んでいったのを覚えていないか、と。

その頃に比べて、今の君はどれだけ弾けるようになったんだね。ギターを元通りに持って、いつものようにペンタやFを弾いてみなさい。映画を観ながら、ポップコーン食べながら弾けるじゃないか。君は、ペンタもFも満足に弾けない状態から、もう何も考えず映画を観ながら、ポップコーンを食べながらそれらを弾けるまでに成長したのだ。

これが何を意味するか、わかるかい。そう、いま君が直面している様々な難しい課題も、いずれできるようになるということだ。ペンタやFが弾けるようになったのと同じように。

と、そういうことが、書いてありました。本当に素晴らしい本です。

これを書いたら、寝る前にしばらく「タイムマシン練習」をしたいと思います。頑張ったじゃないか、かなり遠いところまで来たじゃないか、そして、来年の今頃はもっとできるようになっているさ、と自分を励ましてみます。私は普段、自分自身を褒める機会が皆無なので、今日だけちょっと褒めてみようと思っています。

たまたまこれを読まれている方も是非、このタイムマシン練習を楽しみつつ、良い年の瀬をお過ごし下さい(俺は十分上手いんだからそんなことやる必要はない!という方、すみません)。


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