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規格化されていないことの魅力

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私の大好きな民俗音楽の動画を紹介します。モンゴル・内モンゴル・トゥバ共和国そしてシベリアにかけて分布するトゥバ系民族に伝わる「フーメイ」という「喉歌」なのですが、女の子(妹?)の「あ゛ーー」と唸るようなドローン、そして兄的な男性が出していると思われる高音のハーモニクスが美しいのです。

上の動画はYouTubeにある「フーメイ」で私がいちばん好きなものです(消されないといいな…)。兄の三味線的な楽器とグルーヴも素晴らしい。最高の音楽です。二人の表情も良いですね。兄ちゃんを見ていると中学高校の頃必ず一人はいた不良少年を思い出します。日本人みたいですよね。私の内なるモンゴロイドの血が騒ぎます。

で、この「フーメイ」をもっと聴きたいと思ってYouTubeを検索するのですが、出てくるものはどれも何か違和感があるものがほとんどで、上の音源ほど感動するものには巡り会えていません。例えば、下の動画はどうでしょうか。この歌手は多分ニセモノではないと思うし、フーメイの歌唱法をマスターした達人なのかもしれません。

でもシンセサイザーで味付けされて、わかりやすいリズムを与えられたこの「フーメイ」には、最初の動画の100分の1さえも感動することができません。その理由は何だろうと思うのです。ここには何か大事な問題が潜んでいるような気がしました。

スーパーで売られている野菜はどれもある程度同じような大きさで、あまり割れたり汚れたりしていませんが、2番目の動画はまさにそういう感じで規格化された立派な商品という感じがします。洗練されているけれど何か面白くないのです(私には)。立派な歌唱で、立派な演奏だけれど、つまらない。断然、最初の2人がいい。

自分が音楽を演奏する時も、最初の2人のようなグルーヴを目指したいです。箱詰め作業の時に検品から弾かれるような、凸凹したジャガイモのような音楽。そういうものをやりたい。そう思ったのでした(洗練を目指さないという意味ではないのだけれど)。

最初の動画、現時点で317万回閲覧されていて24,840人が高く評価し、1,281人が低く評価しています。2番目の洗練された感じのものは、327万回閲覧され、39,748人が高く評価し、532人が低く評価しています。最初の動画のほうが人気がなく、そして1,281人もの人々があえて下向きの親指を押した、という事実に驚愕します。


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