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発見するということ

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誰に教えられるわけでもなく、自分自身で何かに気付き、発見するということがあります。そうした発見はかなり強めに意識に定着し、「実際に使える言語」の一部になっていくのではないかと感じます。例えば、ある日私は FΔ7(#5) のDrop2コードを指板上でさらっていたのですが、その時ふとこんなことに気付きました。

発見するということ – たとえばFΔ7(#5)を弾きながら

1234弦セットで、FΔ7(#5)のDrop2コードを弾いてみます。するとネックのヘッド側から順に、下の画像のようになります(クリックまたはピンチで拡大できます)。FΔ7の5度であるC音を、C#音にシャープさせるだけです。

FΔ7(#5)

この中の最後の、4番目のコードを弾いた時、思ったのです。

これって C# altered の時に見えているフォームに近いよな… 6弦9Fルートのあのフォーム… 下からRoot, 3rd, b13th, #9th。いや待てよ。つか、ルート全音下げれば Bm7(b5)11のフォームでもある な… 

なるほど… ということは… C#オルタードのフレーズ弾いたら、FΔ7(#5)の上でもサウンドするんじゃね?

私はElectro Harmonix Freezeを踏みながらFΔ7(#5)のコードを弾き、そのドローン音の上でC#オルタードのフレーズを弾いてみました(Freezeはこういう実験や確認にもすごく便利)。そして期待通り、それはいい感じにサウンドしたのでした。

やばい… いまの俺は… ちょっとカッコよかった… なんつーか… カートのニセモノ みたいだった… あと15年早くこれに気付いていれば…

分析は続きます。

でも、何故C# alteredがサウンドするんだろう。構成音は… C#, D, E, F, G, A, B。FΔ7の上でこれらの音は、#5, 6th(13th), Δ7, R, 2nd(9th), 3rd, #11thになる… 全部インサイドなんだ。FΔ7(#11, #5)なんだなぁ。

ここでふと気付きます。

つかC# altered、C# Super Locrianって… すなわちD Melodic Minorであり… すなわち F Lydian Augmented であり、B Locrian #2なんじゃね… つまり全て… メロディックマイナー… これは… 俺は何をやっている… 君の名は… お前は誰だ… 腹減った… そしてもう朝の10時… 俺は… 何故会社でなく、自宅にいる…

そんなの当たり前だろ、と笑われるかもしれないのですが、こんな感じで「世の中では当たり前とされている」かもしれないことに自分で気付いて、いろいろ試してみて納得したものは、忘れないし、身体に入ると思うんですよね。

この時私は、メジャーセブンス上での新しい表現を可能にする、Lydian Augmented という音列、新しい色彩に出会うことができました。そして FΔ7(#5)=C#7(#9, b13)=Bm7(b5)9 11, というコーダルな互換性も手に入れることができたのでした。

こういう発見って、良いですよね。そしてすごいギタリストたちは、多分こういう発見を500個とか1000個とかそういうレベルで持っているのではないかという気がします。


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