参考資料的な記事として、Drop 2&4及びDrop 2&3と呼ばれるボイシング(音の積み方)について書いてみます。
ギターで便利かつ伝統的なボイシングとして、過去にDrop2とDrop3について記事を書きました。この記事は、Drop2のことを理解されている方向けの内容です。またDrop2とDrop3のほうが重要度ははるかに高いと思うので、それらを習得されていない方はDrop 2&4やDrop 2&3に取り組まれる必要は多分ないでしょう。
なおDrop2 voicingについては、私のブログなどよりも、ギタリストの市野元彦氏による解説のほうがはるかにわかりやすく有益なので、興味のある方は是非そちらを読まれてみて下さい。
Drop 2&4のつくりかた
Drop 2 voicingをマスターされている方なら、Drop 2&4のつくり方は一瞬で理解できます。下はCΔ7のDrop2, ルート・ボトムのフォームです。これは元々、上からE-C-B-GというCΔ7の第2転回形の上から2番目の音(C音)を、1オクターブ下に持ってきたものですよね(”Drop 2″とは「上から2番目の音を1オクターブ下にDrop(落とす)の意)。
「Drop 2&4」は、「上から2番目と4番目の音を、1オクターブ下にDropする」という意味です。
では、元々のE-C-B-Gのうち、上から4番目の音は何でしょう。Gですよね。そのGもまた、1オクターブ下に移動させると、Drop 2&4が完成する、ということになります。
下の図のようになります。特徴としては、隣接した2本の弦、そして1本あいだを置いて、また2本の隣接した弦を弾く、というフォーム。そして6弦ルートと5弦ルートの2種類しかないという点でしょうか。この考え方で、全てのコード・クオリティのDrop2の、全ての転回形からDrop 2&4を導き出すことができます。「Drop2の上から3つ目の音を、1オクターブ下に持ってくる」と考えると簡単です。
Drop 2&3のつくりかた
次にDrop 2&3のつくりかたを見ていきます。考え方は上と全く同じで、今度は上から2番目の音を1オクターブ下げれば、Drop 2&3になります。
下の3本の弦、そして1本あけて、もう1本弾く、というフォームになり、これも6弦ルートと5弦ルートの2種類のみ。Drop 2&3も、Drop2に精通していれば指板上の位置を確認するのはそれほど難しくないですよね。
ただ、上のCΔ7のDrop2&3、私は押さえられません!少なくとも実際の演奏で使えるレベルで押さえることは、私にはできないのです。
私はこれまでDrop 2&4やDrop 2&3の練習をずっとさぼってきました。でも、これを使いこなせていないことによって自分の表現に何らかの制限が発生しているとしたら嫌だなと思ったので、また勉強してみようと思い立ってこの記事を書くことにしました。
Drop 2&4はソロ・ギター等で活躍すると思いますし、Drop 2&3もスラスラと押さえられたら面白そうではあるのですが、個人的にはこれに時間をかけるなら他に練習したいボイシング(インターバリック・ストラクチャーとかクラスターとか)がたくさんあります。
ただ、全ての音を同時に押弦するのは難しくても、Drop 2&4やDrop 2&3が指板上のそこにあるということがわかると、アルペジオ的に使えるかもしれないし、何か良いことはあるような気はしています。Drop2もアルペジオで音列的に弾くと、バッハみたいでとても美しいですよね。
あとは、ギターで弾くことはなくても、ちょっとした作曲をする時などにもDrop 2&4やDrop 2&3の知識は役に立つと思います。