以前きゃりーぱみゅぱみゅを絶賛する記事(これとこれ)を書いたのですが、友達に「お前は何を言っているんだ、意味がわからない、お前『きゃりーぱみゅぱみゅ』言ってみたかっただけちゃうんか」と言われてしまいました。
そんなわけないだろ! 俺は本当にきゃろらいんが好きなんだ。このきゃりー愛をどう伝えるべきか… きゃりーの歌に現れるような印象的なモチーフの力を借りて、私達ジャズ愛好家はこの荒廃した現代社会の中で失ってしまった「うた」を取り戻すことができる。この真実、この希望を、世界に向けてあらためて発信しなければならない。
俺は立ち上がり、アンプのスイッチを入れ、冷蔵庫からビールを取り出した…
具体例として、誰でも知っている「枯葉」のコード進行で記憶の中にある「KPPのうた」をモチーフ的に弾いてみたものを録音。採譜して、ワンコーラスにまとめてみました。無理矢理ワンコーラスに押し込めたので8小節毎に新しいモチーフが登場しています(実際の演奏でこんなふうに弾くと完全に宴会芸なのでやめたほうが良いです)。
モチーフ的に扱ったKPPの曲は以下の4曲です(いずれもKPP BESTに収録)。
- Ex.1 「最&高」へのオマージュ(1〜8小節)
- Ex.2 「ふりそでーしょん」へのオマージュ(9〜16小節)
- Ex.3 「にんじゃりばんばん」へのオマージュ(17〜24小節)
- Ex.4 「PONPONPON」へのオマージュ(25〜32小節)
下はGuitar ProのMIDI音源による譜面の再生です。バッキングは普通のベースライン+ガイドトーン。
以下、譜面です。原曲がすぐにわかるように、なるべくオリジナルに近いリズム型で弾いたつもりです(音程はかなり違うと思います)。音使いは完全にインサイド。「にんじゃりばんばん」と「PONPONPON」は盆踊りのような野暮ったい感じになってしまったのでもっと練習が必要です。いちばんのお気に入りは「ふりそでーしょん」です。
また一つのモチーフが自然な感じで終わるまでどれほどひっぱれるか頑張ってみる練習がやはりかなり効果的なので、例えば「最&高」っぽいモチーフならそれだけを使って何コーラスも弾く練習をすると勉強になります。日常生活であまり使っていない脳が全開で働いているような感覚になります。すごくクリエイティブな練習で楽しいです。
テクニックを身につける練習やフレーズをコピーする練習などに疲れたらこういう練習をするのですが、気分転換にもなるのでとても気に入っています。やっぱりきゃりーぱみゅぱみゅの歌はどれもいいです。一緒に弾きたい、歌いたい、と思わせる何かがあります。
あらためて考えると、パーカー、アダレイ、ゴードンといったバップのホーン奏者は当時の流行歌の断片をフレーズの中に取り込んでいました。「これ何て曲か知らないけどこの頃ヒットした曲なんだろうな…」というメロディがよく聴こえてきます。ビバップというジャンルがまだ残っていたとしたら、きゃりーの歌は人気の引用元になったのではないでしょうか。