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ジェリー・バーガンジのペンタトニック・レッスン

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先日、My Music Masterclassにジェリー・バーガンジの教則動画があるのに気付いて早速購入しました。

新作かと思ったら、昨年の冬頃に出ていたようです。1と2、PDF付きで購入しどちらも見ましたが期待通りの楽しいレッスンでした。ピアノはジョン・アバークロンビーとの共演でお馴染みのアンディー・ラヴァーン。

内容はATNから出ているバーガンジの名著、インサイドインプロヴィゼイション ペンタトニックスケール Vol.2のダイジェスト実演版という感じ。このペンタはこのコードで使えます、そのペンタを1音変えてみましょうか、するとこのコードで使えます、さらに1音変えてみましょう…と、ペンタトニックの魔法を披露してくれます。

「ペンタ1発」という表現がありますが、1発でもいいから、あるマイナー・ペンタトニックとそのモードを自在に弾きこなせるのなら、そのすぐ先には刺激的なサウンドスケープが広がっていることがわかる、ワクワクするような内容です。

とは言ってもペンタトニック・スケールを単純に上昇下降するだけではやはり音楽にはならないわけで、どうすれば面白いパターンを作れるか、さらにはパターンを脱却し、メロディとするにはどういうアプローチがあるのか、等がこの動画でも教則本でも解説されています。リズミックな表現の話もあって面白かったです。とにかく実演がすごい。

この教則動画、バーガンジが時々アンディ・ラヴァーンにソロを弾かせるのですが(君もやってみてよ、という感じで)、その時彼はドラムセットの前に移動して叩きはじめます! なかなか上手い! ついでにアンディ・ラヴァーンの両手も長いことスプリット・スクリーンで映し出されているのでボイシングの参考になります。

バーガンジ曰く、レッスンの時はピアノも弾くしドラムも叩くとのことです。僕はサックスそのものじゃなくて即興演奏を教えているから、これらは良いツールなんだ、とも。

ペンタトニックに話を戻すと、例えばCm7上ではCマイナーペンタトニックの他にもDマイナーペンタトニック、Gマイナーペンタトニックがよくサウンドするのは多くの人が知っていると思いますが、もっともっと多くの可能性、より具体的なフレージングに接したい人にはおすすめの動画だと思いました。

このレベルでペンタトニックを使いこなせなくても普通のジャズ・スタンダードの演奏は楽しめるとは思いますが、世界がぐんと広がると思います。少ない原則を駆使して、想像力を働かそう、という感じの内容。最近フレーズのコピーに疲れたなぁ、などという時にも良いかもしれません。


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