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ギタリストが呼ばれる時、何か違うものが求められているんだよ – Mike Moreno

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先日この記事でマイク・モレノの教則動画について書いたのですが、その3本目の “Rhythmic Comping” の冒頭でマイクはこんなことを言っていました。

ギター・プレイヤーは強迫観念のようにボイシングにとらわれているように思う。誰かがギタリストを呼ぶ時、その人は何か普通とは違うものを求めているんだ。それはきっと、ビッグなボイシングではないと思う。だって彼等は、その気になればピアニストを呼べる。でもピアニストでなく僕に連絡してくるってことは、何か違うものを欲していることになる。だから僕が現れて、こんな感じのビッグなコード(※ここでマイクは4〜5本の弦を使った厚めのボイシングでギターを掻き鳴らす)を弾くのは望んでいないよ、多分。彼等はより多くの空間を求めているんだよ! それはまず頭に留めておいたほうが良いと思うよ。

I feel like guitar players are obsessed with voicings…if someone calls a guitar player, they want something different, which probably means they don’t want big voicings, ’cause they have the choice, at least for the people that I work with, they can call a piano player. So if they call me, that means they want something different. So they probably don’t want me to show up and be playing, you know…. big chords, they want more space ! That’s something you’ve got to keep in mind.

ピアニストがたくさんいるなか、何故ギタリストが呼ばれるか。ある程度のレベルに行ったプレイヤーの場合、そこには理由があるんだよ、とのことです。厚いコードならピアノでもできるし、ピアノなら厚いだけでなく、ギターには不可能なより複雑で繊細なボイシングもできる。そんな状況でギターが呼ばれるのは何故なのか。

ソニー・ロリンズがコード楽器としてギタリストのジム・ホールを呼んだ理由はまさにこれだったと思います(ロリンズ自身、空間、スペースという言葉を口にしていたはず)。そしてロリンズ・バンドでのジム・ホールのコンピングも、ガイドトーンを中心とした1〜3音をリズミックに扱う、という感じだったと思います(コードも結構弾いてたけど)。

ギター・トリオ、ギター・デュオ、ソロ・ギターでの表現のためにはボイシングの研究は欠かせないと思いますが、たとえコード楽器が自分だけだったとしても、常にピアノ的な音響を要求されているわけではないというのは、なかなか興味深い話でした。ボイシングよりも、同時発音数は少なくて良いから、リズム! という面白いレッスンでした。


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