先日この記事でマイク・モレノの教則動画について書いたのですが、彼はレッスンの中で「2種類の練習」について語っていました。
1つは、汗をかいて頑張らなければならない練習。これはトランスクライブをしたり、本当に自分が望むアーティキュレーションで弾いたりといった、結構つらい感じの練習。努力と忍耐が必要な練習。技術の練習。楽器の練習。地味な練習。運指やピッキングの研究。
もう1つは、自分が獲得したスキルを使って、モチーフを展開させつつソロを弾いていくというような、クリエイティブな練習。そういう感じのことを言っていたと思います。
この2つの練習については私も日頃から意識することがあり、うーん、なるほど、と思ったのでした。少し角度を変えると、楽器をマスターするための練習と、音楽を創造する練習、という言い方もできるような気もします。これは違う性質の練習であることを定期的に意識したほうが良いと感じています(その2つが重なる練習もあるとは思いますが…)。
例えばコード1発のバッキングトラックを用意して(自分で弾いてルーパーに落としても、iRealを使ってもいい)、1発モノを弾いて楽しむ。モードの曲でもいいと思います。チャーチ・モードと、いくつかのペンタトニックと、ダイアトニック内のアルペジオといった制限を設けて、あとは自由にやる。その中で、楽しみながらいろいろ試してみる。
そういう練習は本当に楽しいですよね。ポリリズムで遊んだり、インターバルで遊んだり、もう好き放題に遊ぶ。「音楽をつくる」。至福の時間です。
そういう創造的に楽しむ練習と、運指が難しいフレーズや音型をこれでもかこれでもかと執拗に追い込む練習。どちらも必要で、両方のバランスを取るのが大事だと思います。
どうしても1日の時間が限られていると、クリエイティブな練習をサボってしまうことがあります。クリエイティブに音楽をつくってみる練習をすると、技術面での自分の弱点もより明らかになるので、やはり両方の練習をバランスよくやりたいですね。
セッションに参加するという行為は、音楽を創造する練習の一つであるとも言えると思います(セッションを練習と呼ぶのは語弊があるかもしれませんが)。