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数字で感じる

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以前ベン・モンダーがMy Music Masterclassの教則動画(Ben Monderの教則ビデオについて)で面白いことを言っていました。

例えばCメジャーキーの各コードのトライアドのフォームを覚えるとします。その時彼は、「CMaj7, Dm7, Em7…」と口に出して覚えることはしないと語っていました。代わりに、「1, 2, 3…(One, Two, Three…)」と声に出して覚えるとのこと。

具体的なコードネームを口に出して言いながら弾く(”D flat major…”等々)練習は、以前習っていた先生に勧められてやっていたことがあるのですが、それはそれでためになった練習でした。声に出して練習するのは、何かと良いことがあるように感じます。

Db, F, Ab, C…と実音を口に出したり、Do Mi So Ti..などと移動ドで口に出して言う・歌うのも大事な練習だと思います。

話を戻すとベン・モンダーがトライアドの各種ポジションを「1, 2, 3…」などと「数字で」覚えるようにしているのは、どうもコードの機能とトーナル・センターをより強く感じ取る・聴き取る・意識するためではないかと動画を見ていて思いました。

どういうことかというと、C Major Keyの場合、「1, 4, 5の和音」のクオリティはメジャー。「2, 3, 6の和音」のクオリティはマイナー。「7の和音」のクオリティはディミニッシュ。自動的にそうなる。各コードの実名も大事だけれども、クオリティ(=コードタイプのこと)と調性内での機能を感じるところにポイントがあるようでした。

トライアドでなくセブンスコードの場合、1, 4の和音はメジャー7th。5の和音はドミナント・セブンス。2, 3, 6の和音はマイナー7th。7の和音は自動的にマイナーセブンb7(ハーフディミニッシュ)。

この考え方をアイオニアンだけでなく、メロディック・マイナーやハーモニック・マイナーにも適用する。例えばハーモニック・マイナーの場合、6の和音はメジャー7thで機能はサブドミナント・マイナー(専門家は違う呼び方をする人もいる)。3の和音はメジャー7th(#5)で機能はトニック(専門家はMediantと呼ぶかもしれないけど要するに自分にとって説得力のある概念なら何でもOKでしょう)。

いま自分がいるトーナリティーは何か、いま鳴っているコードは何か、その機能は何か。それを一度に、一つの数字でラベリングする。ということだと思います。

何かKey in Fの曲を演奏しているとする(転調なしの)。その時Am7が鳴ったら、それを「3」として感じるのが大事。というか便利。ということなのだと思います。そいつはトニックだ。そいつの9thはb9だ。フリジアンだ。等々。そしてこれに慣れると転調にも対応しやすくなる。はずだ。と考え、結構前からこの「数字で感じる」練習を続けているのですが、これはとても良い練習だと感じています。


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