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without records – mot ver. 2015

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先日、気分転換に東京都現代美術館に行ってきました。

その日見た中では、豊島康子さんという方の作品が最高に素晴らしく、私は一瞬でファンになってしまったのですが、この記事では大友良英+青山秦知+伊藤隆之の三氏による「without records – mot ver. 2015」というインスタレーションを紹介します。これもまた素晴らしい作品・体験でした。

古いレコード・プレイヤーにプリペアード楽器のような処理が施されていて、針はレコードのない盤面に載せられています。アトリウムにたくさんのプレイヤーが設置されていて、コンピューター制御でランダムにプレイヤーが回転します。で、あちこちから、間歇的に、ギギギ、カタカタカタカタ、というノイズみたいなものが発生します。

without records - mot ver. 2015

何処でどのプレイヤーが鳴るかは予測できません。ランダムな動きをします。管理された偶然、機械による即興です。林の中で鳥の声が聞こえるような感じです。これがとても良い雰囲気です。ジョン・ケージやリゲティ・ジェルジュの作品を懐かしく想起しました。

without records - mot ver. 2015

楽器を演奏しない人は普段、記録(record)された音源を再生して聴くことが多いと思います。記録されたものは基本的にいつも同じ。でもこのインスタレーションは「without record」。レコードなし、記録なし。聞こえてくるのはいつも違うランダムなノイズ。

without records - mot ver. 2015

動画に撮ってみました。私もギターに何か金属でも挟んでみようかな!

これはライブ・ミュージック、ジャズだ、と思いました。ていうか「いわゆるフツーのジャズ」より断然面白い(…)。そういえば大友良英氏はジャズ・ギタリストでもあったと聞いたことがあります。ギタリストとしての氏の活動のことは全く知りません。また「あまちゃん」の音楽は、私にはあまり訴えかけないものだったのですが、このインスタレーションには心を動かされました。

東京現代美術館はまもなく長期間のリニューアル休館に入るそうです。この作品を体験されたい方はお早めに訪れてみたほうが良いと思います。あと音楽とは関係ないのですが、最初に紹介した豊島康子さんという方の作品が本当に衝撃的でした。

現代美術も、現代音楽も、自由で楽しい。ジャズのスタンダード曲みたいなものばかり弾いていると、音楽の本質を忘れがちになるから気をつけなければいけないな、と思った一日でした。


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