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オール・アウトする練習

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現在の自分自身の限界を超えるためには、限界を超えたところで何かを練習しなければならない。と思い、そういう練習をしているのですが、そういう練習を個人的に「オールアウト練(オール・アウトする練習)」と呼んでいます。

「オール・アウト」という言葉の一般的な定義は以下。

all–out:

made or done with as much effort as possible, fully developed, made with maximum effort

可能な限りの努力・労力でなされること、徹底的に展開されていること、最大限の労力でなされること

Merriam-Webster

どんなオール・アウト練習がありうるかというと、例えば

  • ♩= 250で弾けないものがあれば♩= 250で弾く練習をする(速く指を動かす・速くピッキングする練習)
  • ほぼ同じインターバル、ほぼ同じリズミック・フィギュアを持つモチーフで延々と弾く練習(脳を使いすぎて空腹になるまでやる)
  • ひたすら16分音符で弾き切る練習
  • どんなに大変でも3連符だけで弾き切る練習
  • 15分間ノンストップで循環 (1625)を高速で弾き続ける練習(鼻血が出ようがアイデアが枯渇しようがやめない)
  • わけのわからない転調を多数含むバッキング・トラックを用意してその上でアドリブする練習
  • 聴いたことのないクラシックの器楽曲の楽譜を用意して、(間違っても)止まらずに初見で弾き続ける

ポイントは「もうこれ以上は無理」というくらい、ぐったりするまでやること。多分筋トレと同じで、毎日やると疲弊してしまってあまり良くないかもしれないのですが、1日おきとか、3日に1度とか、現在の自分自身を超えるためにはこういう練習が必要だ、と感じて取り組んでいます。かなり意識的にやりはじめて2年くらい経ちますが、これは効果がある! と感じています。月に1回とかだと、あまり意味がないようにも思います。週に2回以上やったほうが良いような気がします。

ただしこれは「何も考えずにがむしゃらに努力で立ち向かう」というのとはちょっと違うと思っています。あくまで、自分が苦手なのはこれであり、それを克服するためにこの練習をするのだ、と強く意識してやるのが効果的ではないかと思います。ミスター・ミヤジに命じられるままわけもわからずクルマのフロントガラスを拭き続けたり(=カラテ・キッド)、うさぎ跳びをするのとは話が別。

「何かを深く理解する」ためには、ゆっくり・静かに・瞑想的に、「何かを深く覚える」ためには、極端で激しく、緊迫した状況下でその動きを繰り返し試す、というのが効果的なのではあるまいか、と最近よく感じるのでした。

それで、筋トレと同じで、時々身体に疲労が蓄積したような感じになり、ぐったりと無気力になることもあるのですが、そんな時は「練習」という気持ちを持たず、純粋に音楽とギターを楽しむというあの初心を思い出し、ジョージ・ベンソンになったつもりで鼻歌を歌うような気軽さで適当にギターを弾きます。もう、何も考えずに弾く。

すると「あれ、…俺、ちょっと上手くなったかな?」と思うことがあります。本当に時々しかない、ご褒美のような瞬間ですが、それはそれは格別な、嬉しい嬉しい瞬間です。


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