ムック Jazz guitar book vol.29 にて、「他のギタリストと一緒に演奏する場合にどんな点に気を遣っていましたか?」との問いに対し(インタビュワーは高梨学氏)、ベン・モンダーが次のように答えています。
普段以上に自意識を持って演奏するよう心掛けたよ。僕は周りのプレイに影響されてしまう方だからね。自分のサウンドを作り出して、他のプレイヤーとのコントラストを明確にすることが大切だったんだ。更に掛け合いのソロなどでも、相手のソロに敢えて反応しないようにしたね。
ポール・モチアン・バンドでスティーヴ・カーディナスとツインギターだった頃のことを思い出しながら語っているようなのですが、面白いなと思いました。
私のような素人の場合、共演者が投げたフレーズに反応して面白く展開したり、アイデアを共有することをまず考えてしまいます。それはそれで音楽全体に快い一貫性が生まれるので良いことだとは思うのですが、モンダーは次のように続けます。
相手の弾く3連符などのフレーズは耳に残りこちらも追従したくなるのが普通だが、それはバンド・サウンドとしては過剰なプレイとなってしまう。それを頭の中から打ち消して自分のソロを展開させるんだ。
相手のやっていることにうまく反応できないことはしょっちゅうあるのですが、意識的な選択として反応しない、というのはあまり考えたことがなく(流れを変える、というのはあるのですが)、面白く読んだのでした。この人はやっぱり普通の人じゃないですね(何を今更!)