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入門用の教則本を5冊選ぶとしたら

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先日、本当に初心者の人はどのように学習するのがベストなのかという記事で、初心者の方はまず生身の人間にレッスンを受けたほうが良いのではないか、と書きました。

教則本はその上で補助的な役割を果たすと思います。入門者・初心者にどんな教則本が良いのかは一概に言えるわけがなく、人それぞれの考え方があると思いますが、自分が友達のために選ぶとしたら何になるだろう、と真面目に考えてピックアップしてみました。以下の5冊です。

最初の矢堀孝一氏の本ではジャズの基本的なコードワークが扱われています。友達にプレゼントしたことがあるのですが、コンパクトで便利な本です。ブルースでも枯葉でもとにかく最低限のコンピングができると練習がグッと楽しくなるわけですが、ジャズ・ギターで使う基本的なコードを知らないとはじまりません。

道下和彦氏の「ギター無窮動」はあまりの素晴らしさにこのブログでも何度か取り上げているのですが、これはコードではなくフレーズを学ぶ本。何となくジャズの雰囲気が好きだ、ジャズをやってみたい、という方はとりあえず耳を澄ましつつこの本を練習すると何かが身体に染みこんでくるに違いありません。

「ギター無窮動」が具体的な本だとしたら、ジェリー・バーガンジの「メロディック・ストラクチャー」は抽象的な本です。これは限られた音数でアドリブを練習する本で、初心者向きではないかもしれませんが、譜面が読める方は副読本的に時間をかけて取り組む価値はあると思います。「歌う能力」の開発本です。

「ペンタトニックスケール」もジェリー・バーガンジの本です。この本は中級者以上向けのところもありますが、もしロック・ギターでペンタトニックを縦横無尽に使いこなしてきた方で、かつ耳も鍛えられている方には宝物のような本になるかもしれません。これも「限られた音数」での練習本と言えます。

最後にスタンダード曲集の「ジャズ・スタンダード・バイブル」。これは教則本? と思われるかもしれませんが、スタンダードのテーマは最高のフレーズ集である と私は思います。特に譜割り、リズミック・フィギュアを学ぶつもりであらゆるテーマを味わいつつ弾き倒すのは良い練習になると思います。

そして最後に「耳コピー」は絶対に必要と書いておきたいと思います。何か記事で「絶対に…」とか「…すべき」という言葉を使うと抗議のお手紙をいただくことがあるのですが、これは譲れません。耳コピーは絶対にすべき。耳コピーせずに上手になった人はいないと思います。

私達の誰もが尊敬するプロ・ギタリストの方々が「俺は練習なんかしない。コピーなんかもしたことない」と口にされることがあるのですが、私は鵜呑みにしないほうが良いと思います。そういうことを言われる方も実はすごく練習しているし本当はコピーもしたことがあると思います。

ところでフレーズについては耳コピーでかなり独自に学べると思うのですが、コードワークはそうも行かないことがあると思います。上の「ジャズ・ギター・コード・ワーク・バイブル」を卒業した方には、以下の2冊の本をおすすめします。

Vic Jurisの本では基本的なDrop2, Drop3, Open Triads, Intervallic Structuresのアイデアが紹介されています。コンパクトで良い本です。但しリズミックなアイデアはほとんどありません。Mark Bolingの本はさらに進んだ内容ですが実践的なものです。どちらも現代的なサウンドを目指す人に向いています。


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