下の記事でも紹介した「ギタリスト現代地図・未来予想図」とでも呼べそうなギター・マガジン10月に、ジョン・スコフィールドへの良質なインタビューが掲載されています。その中で彼が口にしていた言葉で胸に突き刺さったものがありました。この人は何を喋ってもポロッと深い思考が出てくるな、と思いました。
ジョン・スコフィールドはブルースを愛しており、「心の3大ギタリスト」にB.B.キングを挙げているほどです。しかし彼が例えばエリック・クラプトンのようにブルースの世界に入って、ブルースを歌うブルースマンを志向しなかったのには、ある理由がありました。それが、いいんですよ。ずいぶんはっきり言ったな、と思いました。でもそこには愛があるので、清々しくもあるのです。
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具体的にどんな言葉だったかは、誤解を呼びそうだし、プライドを傷つけられてしまう方もいると思うので、ここではちょっと書けません。ジョンスコは誠実な人だな、とあらためて深く共感しました。
日本人がジャズをやることについても色々言う人がいるけれど、ジャズはもっと懐の広い音楽だと思います。様々な対立を対立として、複雑な現実を現実として、ネイティブも外国人も差別なく受け入れてくれるような魅力がジャズにはあります(あ…それはつまり…アメリカの理念、ということなのだろうか)。黒人も白人もアジア人も中に招き入れてくれる音楽。とりあえず入れてくれる。チャンスをもらえる。
ジェロという米国出身の演歌歌手がいました。私は彼の歌、好きでした。「海雪」はとても良かった(歌も、宇崎竜童の曲も、ギターもカッコいい。ギター誰なんだろう…)。いま聴いても、いい。ただジェロ氏、演歌歌手はやめて、IT関連の仕事をするため米国に戻ったそうです。彼は、もっと売れても良かったんじゃないかと思います。
ブルースの起源に関する過酷な歴史を思うと、演歌と一緒にすることはできないのですが、ふとジェロのことを思ったのでした。彼はどこか誠実な感じがする。スコフィールド氏も、もしブルースマンになっていたらきっとすごくいい音楽をやっていたに違いないと思います。というか、本当はああした考え方を持てる人だけがブルースマンになる資格を持てるんじゃないか。
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