筋トレによって演奏能力は確実に向上する。具体的には、瞬間的な運指の速さや、判断における瞬発力が向上する。そう思うようになりました。しかし、それは筋トレによって筋肉が付くからではない。そこには他の理由がある。
数ヶ月前に下の記事を書きました。この頃は自宅で筋トレしていたのですが、最近はスポーツジムで週3回、1回90分〜2時間トレーニングしています。意外なことに、通う時間を含めても自宅でやるより時間効率が良いことに気付いたからです。
上の記事では「指を速く正確に動かす能力と筋トレの間には特に関係がない」と書いています。基本的に今でもその考えは変わりません。パット・メセニーもパット・マルティーノもビレリ・ラグレーンも筋トレはしていないでしょう(多分)。
ただ筋トレが楽器演奏に与えうるポジティブな効果について、新たに気付いたことがあるのです。
筋トレも目的に応じて様々なアプローチがあるのですが、私が主にやっているのは「連続して最大6回〜8回程度挙げられる重量を扱う筋トレ」です。種目は、アームカール、フライ、ショルダープレス、チェストプレス、レッグプレス、ラットプルなど様々。大体どれも6〜8回やるのが限界の重量で、3セットやります。
ここからが本題。例えば6回やるのが限界の重量でやる時、最後の1回、6回目はかなりキツいです。 6回がキツくない時はさらにもう1回追加するんですが、その時のキツさ、辛さはもう半端ないものがあります。
う〜…クーッ…ウォォォォォ…フムーッ!!!
こんな感じですよ。もうとんでもない意志の力を使います。
日常生活でこれほど強力に、本気で何かを意思する、やり遂げようとすることは、ありません。
レッグプレスでマシン限界の重量を押す時など、もう骨が折れるんじゃないかと思いながら、フォォォォォォーッ!!!! と心の中で叫びながらやります。
限界までやります。限界を更新します。オールアウトします。
そして、このオールアウトすること、限界まで自分を追い詰めること、これが効くんです。
筋トレをするようになってから、特にジム通いもするようになってからは、ギター演奏でのテクニック面がかなり向上してきたように感じています。勿論、それは筋トレと関係があるのかどうかは証明できません。筋トレをしなかった自分と、筋トレをした自分とでABテストをすることはできないのですから。
それでも絶対的な運指の速さは上がったように思うし、瞬間的に何かを判断して行う時に、ちょっと余裕が出てきたように思っています。繰り返しになりますが、それは筋トレの成果ではなく、単にギターの練習を続けているからなのかもしれませんが、自分としては「筋トレの最後の1回」をやる時の意志の爆発力、脳から筋肉への強力な指令が効いてきたのではないかと思っています。
ただこの記事の最初に書いたように、筋肉が付くこと・筋肉量が増えることと、楽器演奏能力の向上とはやはり関係がないと思います。例えば、意志を使わずに「シックスパッド」のようなものを身体に巻いて筋トレをするとしましょう。その結果、仮に筋肉がついたとしても、脳が強力な指令を出す、意志を爆発させる、という作業が入らない。だからあれは演奏能力の向上という面では役に立たない。
そうじゃないんですよ。内側からなんですよ。脳の奥底から、この重さ上げてやる、最後のこの1回上げてやる、と強力に意思する。あれこそが筋トレでいちばん鍛えられる脳の機能だと思うんですよ。
それを繰り返しやっていると、演奏中に16分音符や6連符のような速いパッセージを入れる時に余裕が出てくると思うんですよ。これはすごく感じるようになりました。フォッ!と入れられるw 筋トレで音楽的なセンスは鍛えられないとは思います。ただ、余裕が生まれる。これは確実にあると思います。
まぁ、先に書いたように証明できないんですが、私はやってきて良かったと思いますし、これからも続けます。デメリットも感じません。あとジムでの運動中は新しい音楽を積極的に聴く良い時間でもあります。
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