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ブルースの源流を探る ガーナの葬儀音楽におけるコール・アンド・レスポンス

ジャズの源流の1つであるブルース。そのブルースの形式的な特徴として「コール・アンド・レスポンス」(呼びかけと応答)が有名ですが、これはアフリカ起源であると言われています。ただアフリカといっても広く、コール・アンド・レスポンス形式にも様々なバリエーションが存在するようです。

これはあるドキュメンタリー映像作家氏がガーナ共和国アッパーウェスト州の「ワ」という州都で撮影した、現地での葬儀の様子。これがすごい。

全体的にマイナー基調。シロフォンとドラムの複雑なポリリズムに乗って、主に2人の男性が「コール・アンド・レスポンス」的な表現をしているように思われます。この葬儀は、高等裁判所の判事の亡くなられた奥さんのためのもので、参列者がその死を悼んでいるとのこと。

歌詞は残念ながらわかりません。フレーズの終わりに英語の”Yeah”に相当しそうな「アー」という感嘆詞が入ることがあります。なぜ亡くなったのだ、という悲しみや、生前にしてくれたことへの感謝などが述べられているのでしょうか。

主要な歌唱を担っている人々は、何らかの意味での職業音楽家なのか、それとも一般の参列者なのかは不明ですが、どちらであったとしても心を打たれる表現です。出たとこ勝負で熱量をぶつけている感じがすごい。感情を発露しつつ、それをぐっとコントロールしている感じもあり、そこに胸を打たれます。

あと「ンーンー」という全員の鼻歌、ドローンのような音もすごい。私達が普段やったり聴いたりしている音楽よりずっと複雑に聞こえてきます。


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