逆アングルで弾くギタリストというと、すぐに思い浮かぶのがジョージ・ベンソン。1年前、逆アングル・スタイルの方は何割程度いるのだろうと思い、このブログでアンケートを取ってみたことがあります。その結果がこちら。全体の16%と、あまり多くはないことが判明しました。
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ジャズギターをはじめた当初、例に漏れずジョージ・ベンソンの魅力にハマり、私も逆アングル練習しました。結局、ギターを抱えて右手をフロントピックアップの上に持ってきた時、腕が自然にカーブするくらい長くないと無理なのかなぁ、と思い諦めました。弦のピックへの抵抗も強く、速く弾けなかったし、何よりリズムが安定しなかった…
しかしシェリル・ベイリー氏の演奏を見ると、そこまで腕が長いようにも見えません(ただギターは小さいものを使われています)。結局、やるかやらないかなのでしょう。ベンソンを思わせるプリプリとした、玉のようないい音。洗練というよりも原始的な魅力。これでマルティーノみたいなフレーズも出てくるのでワオ! ジャズの歴史! という感動があります。
逆アングルの日本人ギタリストというと、高免信喜氏を思い出します。コンテンポラリー系のギタリストにこれほど明確な逆アングル・スタイルの人はあまりいないような気がします。ホーンライクなレガート表現もいいけれど、こういうスタッカート寄りの表現、パーカッシヴネスもギターの魅力。エネルギーを感じます。この演奏、すごい。
すごい前に出てくる音ですよね。単なる思い込みかもしれませんが、逆アングルにはアフロ・アメリカン的な何かを感じます。何故だろう。単にベンソンがやってたから、以上の理由があるような気がします。こういう音色、アーティキュレーションの人は日本でも決して多くないでしょう。やはり技術的に難しい、というのがあるのでしょうか。選ばれし者だけが引き抜ける聖剣…
高免氏はNYを拠点に活動されていますが、7月31日から来日ツアーがあるようです。この音色に心が動いた方は是非足を運んでみてください。冬には新アルバムも出るらしいので今から楽しみです。