GuitarThaiが2017年1月にアップしたマイク・モレノとのロングインタビュー(約38分)の中で、モレノ氏は「若い頃どのくらい練習したか」と聞かれているのですが、「練習量(how much)は重要ではない」ときっぱり答えています。
どのくらい練習するかは関係ない。大事なのは「何を」練習しているかだよ。座ってギターを8時間眺めていても、練習しているとは言えない。何か間違ったことを座って8時間練習したとしても、それは何もしなかったのと同じだ。
30分間と決めて、本当に何かを練習する、必要なのはそれが全てだ。僕にとっては「何を」練習するかが大事で、「どのくらいの時間か」ではない。そしてその時間の中でどれくらいちゃんと自分自身を批評できるかが大事だ。(how well can you criticize yourself within that time)
量が大事なんじゃない。その時間の中で何をするかが大事だ。
モレノ氏は物言いが極端なので、氏の意図は少し慎重に理解する必要があると思いますが、彼が強調しているのは「30分で十分」という部分ではなく、とにかく何を練習するのか、しているのかをはっきり意識すること、そして自分の演奏がどうだったのかを常に批評・批判することが大事、ということでしょう。
このインタビューでは「若い頃の練習ルーティン」についても聞かれているのですが、「聴いているものから学ぶだけだよ。全てをレコードから引き出すんだ。自分が好きなもの全てを(弾けるように)学ぶんだ」と答えています(3:01〜)。彼は「エクササイズ」という言葉もあまり好きではないらしく、ウォームアップは何をやりますかという問いにも「曲を弾く」と答え、MilestoneやDonna Leeを弾いてみせます。
マイク・モレノは教則動画でも「教則本から音楽を学ぶことはなかった、音楽は常に音楽から学ぶべきものなんだ(learn music with music)」と語っていました。練習においても、本当に音楽的なこと以外、曲を弾くこと以外はやらないという感じです。あくまでギターや理論のベーシックをおさえている人の話だとは思いますが、こういう練習態度に学ぶべきものは多いと思いました。
テレビ見ながら練習したら、それは練習ではない、ときっぱり言われそうです。