先日インスタで自分のギターを紹介する時に、英語圏でギターを意味する”axe”という言葉を使ったのですが、よく考えてみるとなぜギターが「斧」と呼ばれるのかわかりません。
調べてみたところ、アメリカのNovice Guitarというサイトが仮説を紹介していました。大体こんなことが書かれています。これ、面白い!
元々はサックスのことだった
- 「サックス」と「アックス」(Sax/Axe)は韻を踏んでいるため、サキソフォン(サックス)が後に「アックス」に置き換えられるようになった
- サックス奏者が音楽に合わせて、あるいはソロ中にサックスを振り回していたことから(動作が木こり)
- 後に「斧(axe)」はトランペットについても言われるようになった。見た目が実際の斧に似ているため
- サックスとトランペットに続き、誰もが自分の楽器を「アックス」と呼ぶようになり、当たり前のスラングになった。しかしこの時ギターはまだ「アックス」と呼ばれていなかったのである…
ギターも斧と呼ばれるになった理由
- エレクトリック・ギターの多くは弦を張った斧のように見える。特にロックやヘヴィメタル向けのギター、Gibson SGなどは処刑人の斧に酷似している
- 伝説的なヘヴィロックバンド・KISSのベーシスト、ジーン・シモンズのベースギターが斧のようなシェイプだった。シモンズの影響力は強大だったのでこれがきっかけとなった可能性がある。またジーンが斧のデザインを持ち込んだのは「アックス」という単語に影響を受けたのかもしれない
- ヘヴィメタルではギタリストが曲を”murder”した、曲を”slay”した(=最高の演奏をした)とか、あのギタリスト・あのソロは”killer”だ、などと呼ばれる。ギタリストは「斧」であのソロを”slay”した(葬った)…
- ギタリストは練習を”woodshedding”(ウッドシェッディング、籠もり練習)と呼ぶ。Woodshedは「薪小屋」ゆえに「斧」
- 多くの有名なメタルギタリストやロッカーがショーの終わりにギターを破壊する伝統を生み出した。その様は斧で薪を割る木こりのようであった…
- 多くのヘヴィメタル・ロックミュージシャンは自らを北欧のヴァイキングや中世時代の野蛮人になぞらえる。彼等の最も強力な戦闘武器は「斧」であったため、ギターも「斧」と呼ぶようになった
元来は管楽器、それもジャズに由来する言葉だとは知りませんでした。一時は誰もが自分の楽器を「斧」と呼んでいたとのことですが、現在の英語圏でフルートやキーボードは普通そう呼ばれていないでしょうから、ギターの形状やヘヴィロック、ヘヴィメタルの歴史がギターでの用法を強化した、という説には説得力を感じます。
woodsheddingはギター以外の楽器でも言うはずなので、この意味では山籠もりすればどんな楽器も斧になってしまいそう。おもしろいですね。