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コルトレーンのドレミソ

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YouTuber・ギタリストのJens Larsen氏がこんな動画をアップされていました。「簡単で便利なコルトレーン・パターンを使う」。

動画中で説明されているコルトレーン・パターンとは、下の譜例1小節目のような音型のことです。これはジョン・コルトレーンが実際に”Giant Steps”で吹いているフレーズですが、BMaj7とD7というメジャー系コードの中で、その時チョイスしているスケールの1度(ルート)・2度・3度・5度を弾いています。

コルトレーンのドレミソ

この「1235」という、フレーズと呼ぶには短く、リックと呼ぶにはやや無機質な感じの音型は、動画中でも言われているようにコルトレーンが発明したわけではないと思いますが、”Giant Steps”で使われまくっているので彼のシグネチャー・パターンではあると思います。ドレミソ・ドレミソ・ドレミソ…

マイナーコードの場合は「1235」ではなく「1345」がよく使われたりします。メジャーの「1235」の場合は、コーダルに言えばΔ9になり、マイナー「1345」の場合はm11のサウンド。

下の譜例3小節目は、多くの人がトニックで使えるフレーズとして持っているものだと思います。これは応用編で、メジャーコードで「5679」(ソラシレ)を使っています。5度開始の「1235」と考えてもいいですよね。いい感じで6thと9thが入ります。

コルトレーンのドレミソ

この仕組みが面白いなと思うのは、単純に音数が少ないので直感的に弾きやすい、メジャーの「1235」の場合、4度の扱いを決めずに済んだり、マイナーの「1345」の場合は2度の扱い(フリジアン系か等)を迷わずに済むようになっていて、なおかつ9thや11thといったきれいなテンションが入っている、というところでしょうか。さらにペンタのようなスペイシーな響き。トライアドを知っていれば誰でもすぐに取り組めるのもすごい。

さらにマイナーで1345のかわりに1235を使ってもいいわけで(するとm9の響きに)、順列組み合わせでパターンも出せます。音をテンションに換える応用も。既にトライアドで色々実験されている方は、単純に音を1つ増やせて楽しい結果に!! 次にスーパーインポーズ…おおっ!!(例:CΔ7上で半音下のBm 1345を弾くとCΔ9(#11)等。)

この音型を使ったエクササイズはジェリー・バンガンジーの著書「メロディック・ストラクチャー」で詳述されていて、ご存知の方も多いと思います。バーガンジー氏はやはりコルトレーンのパターンからこのアプローチを思いついたのかな。先述の通り、入門者がヘンに悩むことなく取り組めて、かつ音楽的な満足感もあるパターンなので、これをメソッドに昇華したのは慧眼だなぁと思いました。

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