最近Adam Levy氏のThe Rhythm of Improvisationという教則動画を観ました。Jazz Guitar Forumのメンバーの方から教えていただきました(ありがとうございます!)。ティーザー動画はこちら。
セッション参加経験のある方ならわかると思いますが、どんなにカッコよく華々しいフレーズでソロを始めても、着地に失敗したり上手に終わらないと観客から「イェ〜!」は飛んできません。反対に入口でミスろうが途中で慌てふためこうが、良いノート・良いリズムで明瞭にフレーズを締められるとまるでそれまでの全てがチャラになったかのような拍手喝采が飛んできたりしますよね。
終わりよければすべてよし、とまで言っていいかどうかは微妙ですが、終わりが大切なのは間違いありません。Adam Levy氏のレッスンはこのあたりにフォーカスしていて、次のような練習法が紹介されています。
- ゆっくりしたテンポでカウントを出す
- 1小節の短いフレーズを弾く
- この時、たとえばフレーズを3拍目で終わらせる、と決めておく
- 弾く前にリズミック・フィギュアを口ずさんでおくのも良し
- 1小節フレーズの次は2小節のフレーズを、同様に終わりを意識して弾く
こんな感じで、動画の2本目では小節線を超えるフレーズの練習、クラーベのリズムの適用なども紹介されています。フレージングにおけるリズム、がテーマなので、「何の音を弾くか」は触れられていませんが、どうもフレーズをうまくまとめられない、着地に失敗する、手癖で弾いてしまう…と悩んでいる方にはとても参考になる内容だと思いました。
これに加えて、たとえばルートで終わるのか、9thで終わるのか、11thで終わるのか…といった着地時のノートの選択も組み合わせるとすごくいい練習だと思います。「2小節目の3拍目の裏拍、9thで終わってみる」等、ゲーム感覚で小さいフレーズをたくさん練習。ぱっと見、地味な練習内容に見えると思いますがこういうのが効くんですよねー。脳の解像力が上がります。
ある程度既にアドリブができる方向けの内容です(スケールやコードトーンが指板上に見えているレベルの方対象)。Levy氏は物静かにゆっくりと話す方で、英語も平易な表現で聞き取りやすく好感が持てました。
ちなみにLevy氏、普段メトロノームは使うそうですがこの動画では使わず、様々な速度で自分でカウントを出しています。メトロノームやルーパーを使うとエンドレスになってしまうため、小さい単位の練習をするにはこのほうが良いそうで、これも納得しました。
ご興味のある方はこちらから:Adam Levy – Rhythm of Improvisation