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チューナーを使わずにギターをチューニングする方法

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知性と野生を兼ね備えた謎ギタリスト、マイルス・オカザキ氏。氏の著書”Fundamentals of Guitar”のp.10-11に、ギターの音程構造やチューニングについての話が書かれています。

チューナーを使わずにギターをチューニングする方法

ギターのチューニングでは5フレットと7フレットのハーモニクスを合わせる方法が有名ですが、厳密にそれで合わせていくと平均律にはなりません。

下の動画でオカザキ氏は、まずハーモニクスだけで合わせるとこうなってしまう、でもちょっとこう変えると平均律に寄せられるんだ、というコツを解説しています。

動画の内容と氏の著書の該当部分をかいつまんで要約すると:

ハーモニクスで合わせる方法(合わないチューニング)

  • 5弦開放A音を音叉などで合わせる
  • D弦の7FハーモニクスをA弦の5Fハーモニクスに合わせる
  • G弦の7FハーモニクスをD弦の5Fハーモニクスに合わせる
  • E弦(6弦)の5FハーモニクスをA弦の7Fハーモニクスに合わせる
  • B弦開放をE弦(6弦)の7Fハーモニクスに合わせる
  • E弦(1弦)開放をA弦の7Fハーモニクスに合わせる

→結果、B弦5FとG弦4F付近のハーモニクスで大きくズレているのがわかる(約22 cent/12Hzの違い)

平均律で合わせる方法(普通に使えるチューニング)

上記の手順でチューニングしていくが、

  • D弦をA弦に合わせる時、少しだけ(約2セント)上げる
  • G弦をD弦に合わせる時も同じように上げる
  • E弦(6弦)をA弦に合わせる時は、少しだけ下げる(約2セント)
  • B弦をE弦(6弦)に合わせる時、E弦(1弦)開放をA弦に合わせる時も、同様に下げる

→するとB弦5FとG弦4F付近のハーモニクスのB音のズレはだいぶ減る

という感じです。実際に耳でやってみると面白いので、チューナーしか使ったことのない方は一度試してみると面白いと思います。音叉がない方は、基準音のAだけチューナーで合わせてからはじめても良いでしょう。

“Fundamentals of Guitar”はギターの構造、仕組みの理解や、幾何学的な面にフォーカスされている不思議で面白い本です。とにかく図版が豊富で、時々ギターを置いて手にとって眺めてみると発見があったりします。

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