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ギターデュオにおけるバッキング・スタイル

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最近Jazz Guitar Forumで「指弾き時のピックの隠し方」というスレッドが盛り上がっていて(こちら)、主にバッキングに回る時に指でコードやベースラインを弾きたいというケースが多いと思うのですが、そもそも最近のギタリストはウォーキングベース弾かない人もいるよね、などと面白い話題に。

下の動画はヨタム・シルバースタインとシェリル・ベイリーによるウェスの”Four on Six”のデュオ。カッコいいですねー。この動画はギターデュオにおけるバッキング・スタイルを考える際の入口としてもとても良い材料ではないかと思いました。

ヨタムのソロ時、シェリルはピックでゴリゴリのウォーキングベースを弾いています。パーシー・ヒースのベースでのイントロを考えるとこの曲はまずウォーキング、というのが自然な流れではあります。

その後シェリルのソロの番になるとヨタムは最初の2コーラスをコードだけでリズミックにバッキングします。それ以前のシェリルの四分音符刻みに対してここで良い感じのコントラストが発生します。

その後ヨタムもウォーキングベースを取り、疾走感が回復。バース交換では、コードだったり、部分的にウォーキングベースラインだったり、伴奏のウォーキングベースがそのままソロラインになったり(シェリル)、バッキングを止めて空間を作ったり、オブリガード的なシングルラインだったり、その延長線上で2人同時ソロみたいになっていたりと、多様なバッキング・同時演奏スタイルが提示されています。

ちなみに「バッキング」という言葉は和製英語で、英語圏では「コンピング」(Comping)という言葉が使われるようです。これは「伴奏する・付き添う」という意味の”Accompany”から来ている言葉らしいので、こっちのほうが良い言葉だなと個人的に感じます。

「バッキング」というと裏方、おとなしくしている、みたいなニュアンスが強いので、すると2人で音楽全体の雰囲気をどう作り上げていくか、という意識が欠けてきたりしないのかな。ソロイストをサポートする、立てるのは当然のこととして、音楽全体の流れのなかでいまどんな表現が適切なのかを積極的に考える必要が伴奏者にもあるはず。

最終的に上の2人のようなリッチな相互コンピングに至るためには、ウォーキングベースラインの練習、コードだけで伴奏する練習、シングルラインやガイドトーンを使った伴奏等々、複数の領域を練習して、それをミックスして使う練習もする、ということが必要だと思います。時間はかかりますが、楽しいですね!


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